研究課題/領域番号 |
19K17012
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 富山大学 (2021-2023) 熊本大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
向野 晃弘 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (50754173)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 自己免疫性消化管運動障害 / 自律神経節アセチルコリン受容体抗体 / 動物モデル / 自律神経節アセチルコリン受容体 / 抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
自己免疫性消化管運動障害は種々の自己抗体介在性の難治性消化管疾患で, 胃不全麻痺や慢性偽性腸閉塞症などの一部がこれに含まれる. 本症では自己免疫性自律神経障害の病原性自己抗体である抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体など複数の自己抗体が検出される.今回の研究では本症の症状,検査所見(自律神経機能,消化管検査),自己抗体プロファイル,治療を解析し,その臨床的特徴を把握する.また抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体陽性の本症症例血清IgG移送による動物モデルを作製し,抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体の病原性検証に取り組む.
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研究実績の概要 |
血圧低下,消化管障害(腸閉塞)などの自律神経障害が起こることを臨床的,病理学的にも確認した.研究成果を論文としてまとめ,Frontier Neuroscience誌にアクセプトされた.さらに2024年には,自己免疫性消化管運動障害に含まれる機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群患者において,自律神経節アセチルコリン受容体抗体(抗gAChR抗体)が一因になっている可能性について学会報告し,論文としてまとめ,Journal of Personalized Medicine誌にアクセプトされた. また,自律神経節アセチルコリン受容体抗体(抗gAChR抗体)がAGIDと同じく陽性となる自己免疫性自律神経節障害(AAG)に対して,複合免疫療法(ステロイド大量静注療法,経口プレドニゾロン内服)に漢方療法が奏効した症例を経験し,学会報告を行い,論文としてまとめ,Traditional &Kampo medicine誌にアクセプトされた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト自律神経節アセチルコリン受容体ペプチドの免疫による自己免疫性消化管運動障害(AGID)の疾患移送モデルが完成し,研究成果を論文としてまとめることができた.さらに今年度に入り,自己免疫性消化管運動障害に含まれる機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群患者において,自律神経節アセチルコリン受容体抗体(抗gAChR抗体)が一因になっている可能性について論文としてまとめることができた.このことから本研究課題は一定の成果を得たと言える. またヒト患者血清を用いた新たな抗体測定法の樹立を目指している.抗gAChR抗体のIgGサブクラスの探索のため,ヒトCHRNA3ペプチドを用いたELISA法は確立できたが,HEK 293 F細胞にCHRNA3を発現させ細胞を用いたcell based assayの樹立までには至っていない.
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今後の研究の推進方策 |
学会に参加し,本難治性消化管疾患研究会に協力を仰ぎ,臨床評価票,試料(血清)を収集する. 抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体については,ルシフェラーゼ免疫沈降法に代わる新たな抗体測定法を樹立し,抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体のサブクラス実験については,HEK 293 F細胞にCHRNA3を発現させ細胞を用いたcell based assayの樹立し,LIPSとELISAで得られた結果と一致するか確認する.
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