研究課題
若手研究
自己免疫性消化管運動障害は種々の自己抗体介在性の難治性消化管疾患で, 胃不全麻痺や慢性偽性腸閉塞症などの一部がこれに含まれる. 本症では自己免疫性自律神経障害の病原性自己抗体である抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体など複数の自己抗体が検出される.今回の研究では本症の症状,検査所見(自律神経機能,消化管検査),自己抗体プロファイル,治療を解析し,その臨床的特徴を把握する.また抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体陽性の本症症例血清IgG移送による動物モデルを作製し,抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体の病原性検証に取り組む.
我々は抗体の病原性を確かめるために,マウスを用いて自己免疫性消化管運動障害(AGID)の疾患移送モデルの作製を行った.ヒト自律神経節アセチルコリン受容体ペプチドの免疫により血圧低下,消化管障害(腸閉塞)などの自律神経障害が起こることを臨床的,病理学的にも確認した.研究成果を論文としてまとめ,Frontier Neuroscience誌にアクセプトされた.2024年には,機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群患者においても,抗gAChR抗体が一因になっている可能性について学会報告し,論文としてまとめ,Journal of Personalized Medicine誌にアクセプトされた.
AGIDの世界初のマウスモデルを樹立することができたことで,抗gAChR抗体がその病態に関わっていることが判明した.今後さらなる研究が進めば,診断基準の策定や,治療法確立につながる可能性がある.機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群など精査をしても消化管には異常がみられないが,難治性の疾患においても,抗gAChR抗体が一因になっている可能性がわかったことで,この分野でのさらなる研究が進んでいくと思われる.
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 3件)
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