研究課題/領域番号 |
19K17018
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
伊澤 良兼 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90468471)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 血管透過性 / 血液脳関門 / タイトジャンクション / β1インテグリン / neurovascular unit / 脳血管障害 / 血管内皮細胞 / β1インテグリン / 血管内皮 / 脳梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
平成28年度国民生活基礎調査によれば、脳血管障害、及び認知症は、要介護状態となる原因疾患の第一位、第二位を占め、大きな問題となっている。超急性期脳梗塞治療の進歩が目覚ましい一方で、脳梗塞の発症予防は、いまだ抗血栓療法と血圧管理に依存し、新規治療法は久しく開発されていない。抗血栓療法は脳出血発症リスクと表裏一体であるなど、脳血管障害の治療で解決すべき課題は多く、脳血管性認知症に至っては治療法が存在しない。安全性と有効性を両立した、脳血管障害、さらには脳血管性認知症に対する治療の確立は喫緊の課題である。当研究では血管透過性抑制による脳血管障害、脳血管性認知症の新規治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
RITCもしくはTRITCの蛍光強度の増強・減弱の経時変化を半定量化し解析した。脳虚血モデル、およびトロンビン・β1インテグリン阻害抗体の脳皮質下注入モデルのいずれにおいても、コントロール群と比較して、有意な血管透過性亢進を認めなかった。この理由として、マウス個体ごとの梗塞巣サイズの変動や、トロンビン・β1インテグリン阻害抗体・生理食塩水のstereotaxic injection後にてんかん発作様の症状を認めることがあり、マウス毎に血管外漏出レベルのばらつきが大きくなったことに起因すると考えられた。さらなる評価のため、サンプル数の増加や、実験手法の改善等を検討中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳梗塞、脳出血、脳血管性認知症、そのほか様々な神経疾患では、脳血管の構造の脆弱化をきっかけとして、脳神経組織の機能障害が進むことが知られている。しかし、脳血管の脆弱化を示す一つの指標である「血管透過性亢進」のメカニズムは十分に解明されていない。当研究によりマウスの脳の血管透過性の変化を、生存した状態で連続的に観察する手法が確立された。今後、神経疾患の治療法開発の動物モデルとして応用が期待される。
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