研究課題/領域番号 |
19K17023
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
田中 寛大 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (90818402)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 出血 / 抗血栓療法 / 脳小血管病 / 抗血小板療法 / 抗凝固療法 / 脳血管障害 / 大出血 / 脳血管疾患 / 心血管疾患 / 頭蓋内出血 / 脳卒中 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは多様化する抗血栓薬の使用実態を解明するため「脳卒中研究者新ネットワークを活用した脳・心血管疾患における抗血栓療法の実態と安全性の解明The Bleeding with Antithrombotic Therapy Study 2(BAT2)」を進めてきた。国内51施設が参加し、特に脳小血管病の影響を検討するため、脳MRI撮影を登録要件として2016年10月から症例登録を開始し、2019年3月で約5,300例が登録された。本研究ではBAT2研究の全登録症例の2年間の観察を完遂し、抗血栓薬と出血合併症の関係を脳小血管病も絡めて解明し、診療実態に即した出血合併症リスク予測の方法を開発する。
|
研究成果の概要 |
本研究では大きく多様化している経口抗血栓薬の使用実態を解明するため、全国52施設から経口抗血栓薬を内服している脳・心血管疾患患者を多施設共同前向きコホート研究にて登録した。また、脳小血管病(SVD)の影響を検討するため脳MRI撮影を登録要件とした。2016年から2019年の間に5,378例が登録され、2021年4月でフォローアップを完了した。画像ベースラインデータの解析から、アルブミン尿と推算糸球体濾過量の低下が、脳SVD重症度と関連することを示した。また、脳画像データから計算したtotal SVD Scoreが、頭蓋内出血だけでなく、頭蓋外大出血のリスク因子ともなる可能性を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、経口抗血栓薬を内服している脳血管疾患あるいは心血管疾患患者において、アルブミン尿と推算糸球体濾過量の低下が、脳小血管病(SVD)と関連していることが示された。また、フォローアップデータも含めた解析により、脳SVDが、頭蓋内出血だけでなく、消化管出血などの頭蓋外大出血のリスク因子となる可能性が示された。本研究成果から、主に大脳穿通枝領域の小血管病を反映するtotal SVD scoreと全身の高血圧性臓器障害との連関が支持された。また、脳SVDの包括的画像評価は、脳血管のみならず頭蓋外の小血管障害を捉える可能性があり、抗血栓療法を安全に実施する上で有用と考えられる。
|