研究課題/領域番号 |
19K17025
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
秋山 徹也 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (30823405)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / iPS細胞 / ストレス顆粒 / 軸索 / 筋萎縮性側索硬化症(ALS) / fused in sarcoma(FUS) / 人工多能性幹細胞(iPS細胞) / 軸索形態 |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動ニューロン障害により発症から3年程度で死に至る難病であり、未だ根本的治療法はない。RNA代謝異常はALSの病態解明の鍵とされ、RNA結合蛋白であるFUSに変異を有するALSは近年注目を浴びている。FUS変異ALS患者より樹立した人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来運動ニューロンでは軸索形態に異常が生じ、遺伝子Xの抑制によりこの異常は改善する。本研究ではiPS細胞やモデル動物を用いて、軸索形態異常がALSの引き金となるか否かを検証すると共に、新規治療標候補を見出すことを目標とする。
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研究実績の概要 |
ALSは運動ニューロンが選択的に障害される、根本的な治療が無い難病である。ALSにおいて、約10%が家族性であることが知られ、FUSは代表的な原因遺伝子である。FUSはRNA結合蛋白質だ俐、患者病理において細胞質で異常凝集体を生じることが知られており、RNA代謝異常は、軸索障害とともに家族性・孤発性ALSに共通して見られる病態機序である。 本分担研究課題では独自開発したマイクロ流体デバイスを用いiPS細胞由来運動神経ニューロン軸索を大量に回収・網羅的解析し、FUS変異細胞における軸索でのRNA代謝異常に注目した。 RNA-seq解析により、変異FUSにより発現が増加していた遺伝子Fos-Bに関して機能解析を行い運動ニューロンにおいて軸索分岐を増やす異常を生じる役割を明らかにした。軸索形態異常に伴う軸索輸送能の障害仮説や神経の異常興奮仮説を追求するためにマイトトラッカー・カルシウムイメージングを用いた解析を進めたが、いずれもFUS変異の有無で大きな変化を認めず、実験条件の検討を必要としている。 同様に、FUS変異に伴うFUSの局在変化に注目した解析を進めており、プロテアソーム系阻害薬によるストレス顆粒形成促進という新規の表現型を同定し、報告を準備しているところである。FUSの局在変化・ストレス顆粒との関連性については注目が集まっており、軸索局所でのストレス顆粒などへ注目することで、神経変性病態の引き金となり得る分子を同定し、iPS細胞由来運動ニューロンでの治療標的薬としての可能性を追求する予定である。
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