研究課題/領域番号 |
19K17029
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
吉倉 延亮 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (80585654)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 自己抗体 / 小脳性運動失調症 / 自己免疫性小脳性運動失調症 / 自己免疫性脳炎 / IDCA / 特発生小脳失調症 / 抗小脳抗体 / 自己免疫生小脳生運動失調症 / 多系統萎縮症 / 抗神経抗体 / 特発性小脳性運動失調症 / SAOA |
研究開始時の研究の概要 |
2018年に本邦から,特発性小脳失調症(idiopathic cerebellar ataxia,IDCA)の診断基準が提唱された.申請者は,IDCAの必須項目(孤発性,30歳以上の発症で緩徐な進行,画像上の小脳萎縮)を満たす自施設の21症例を後方視的に解析し,約半数の患者血清中に抗神経抗体が陽性となることを見出した.申請者は3年間の研究期間で,IDCA症例の中から治療可能な自己抗体陽性IDCA患者を同定し,その臨床像を明らかにすることで本邦のIDCA診療に貢献したい.
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研究成果の概要 |
本研究課題の中心となる問いは,①IDCA患者の中に免疫学的背景を持つものはどれくらい存在するのか?②IDCA患者から同定される抗神経抗体は病態にどう関わっているのか?③臨床的な特徴からIDCA患者の自己抗体陽性を予測することは可能か?というものであった.我々の研究により,抗小脳抗体はIDCA患者の約30%程度,多系統萎縮症の約10%程度で検出されることが明らかとなった.IDCAで抗体が検出される頻度が明らかに高いことから,この一部は病態に関連していることが考えられた.抗体が陽性となるIDCA患者は陰性患者に比較して,小脳の血流低下に左右さが認められることが有意に多いことが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の研究によって,これまで主に変性疾患と考えられてきた特発性小脳失調症IDCAにおいて,免疫病態が関与している患者が非常に高率に存在していることが示された.このことはIDCA患者における,治療可能な集団を見出すことにもつながると考えられた.そのため,本研究の結果を元にした,抗小脳抗体陽性のIDCA患者における,免疫療法の有効性を検討するための臨床試験を行うことが必要と考え,我々は,「特発性小脳失調症に対する免疫療法の有効性および安全性を検証するランダム化並行群間試験」を計画し,実行することにした.現在,この医師主導治験が進行中である.
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