研究課題/領域番号 |
19K17037
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤井 敬之 九州大学, 病院, 医員 (30822481)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 神経障害性疼痛 / 抗Plexin D1抗体 / 自己抗体 / 小径線維ニューロパチー / 受動免疫動物モデル / 抗plexin D1抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
神経障害性疼痛は原因不明で病態未解明のことが多く難治性である。私たちは、神経障害性疼痛に関連した自己抗体として抗plexin D1抗体を発見し、免疫介在性神経障害性疼痛という疾患概念を提唱している。抗体産生のリスク因子として、アレルギー疾患、膠原病、癌を報告した。本研究では、①抗plexin D1抗体の各種疼痛疾患での有病率の検討、②癌でのplexin D1の発現解析、③HLA等の免疫遺伝学的背景の検討、④動物モデル作成を通じた病態解明を行なう。これにより、抗plexin D1抗体の免疫性神経障害性疼痛診断マーカーとしての意義を確立し、作用機序の解明を通じて免疫療法の開発へつなげる。
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研究成果の概要 |
本研究では、有痛性三叉神経ニューロパチー患者の14.3%、小径線維ニューロパチー患者の12.7%で小径痛覚ニューロンに特異的に結合する抗Plexin D1抗体が陽性であることを明らかにした。次に、抗Plexin D1抗体陽性神経障害性疼痛患者血清からIgGを精製し、マウス髄腔内に投与したところ、有意な機械的痛覚過敏を認めた。以上の結果から、抗Plexin D1抗体は、一部の原因不明の疼痛疾患の責任抗体であるとともに、生体内において後根神経節などの体性感覚神経系に結合して神経障害性疼痛を惹起する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、抗Plexin D1抗体が生体内において神経障害性疼痛の発症における病原性を有することが明らかとなり、また、これまで原因不明とされてきた神経障害性疼痛疾患の一部において存在することが示されたことから、抗Plexin D1抗体は神経障害性疼痛の診断バイオマーカーの候補と考えられた。今後は、抗Plexin D1抗体を標的とする免疫治療により鎮痛効果が得られるか検証していく必要があると考えられた。
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