研究課題/領域番号 |
19K17042
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
齋藤 光象 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (60516079)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アレキサンダー病 / アストロサイト / ミクログリア / 2光子イメージング / シングルセル解析 / 一次性アストロサイト病 / 難治性疾患 / シングルセル遺伝子発現解析 / 2光子イメージング / ニューロングリア動態 / グリア病態 / 難治性神経疾患 / イメージング解析 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性の神経疾患モデルマウスのニューロングリア動態の病的変化を電気生理学実験や2光子in vivoイメージングを用いて解析し、異常なアストロサイト内のCa2+シグナル機構がニューロン活動および中枢神経機能全体に及ぼす病的影響を明らかにする。同定した病態機序と治療標的に対して遺伝学的および薬理学的介入実験を用いて病態への改善効果を明らかにする。
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研究成果の概要 |
アレキサンダー病(AxD)モデル病態に応答するミクログリア活性化におけるグリア間相互作用解明のため、ミクログリア機能イメージング解析、シングルセル遺伝子発現解析を実行した。①AxDモデルのアストロサイトでは病態の影響により ATP分解酵素(NTPDase2)発現が低下し、細胞外ATP濃度が上昇する、②この細胞外ATP濃度上昇を病態シグナルとして感知したミクログリアが活性化する、③活性化ミクログリアは病的アストロサイト周囲に集積し、AxD病態進行を抑制する。すなわちAxDミクログリアはアストロサイト病態を監視・保護することが判明した。グリア細胞間相互作用が関連するAxD病態機構の一端を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果においては、世界で初めてミクログリアがアレキサンダー病(AxD)の進行抑制に関与することを明らかにした。AxDは一次性アストロサイト病であるため、これまでの多くの研究ではアストロサイトに対して関心が向けられていた。しかし本研究は、ミクログリアがAxD病態を監視して制御するという、これまでにない全く新しい病態形成概念を提起するに至った。この発見はミクログリア機能状態がAxD病状と密接に関係することを示唆する。今回知見が臨床研究にも活用されることにより、本研究の意義がさらに高まるものと期待できる。根本治療法が未確立である現状においてミクログリアを治療標的とした新たな治療開発が期待される。
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