研究課題/領域番号 |
19K17043
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
塩田 智 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (70837062)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ALS / 細胞骨格 / 神経難病 |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)および前頭側頭型認知症 (FTD)は、分子生物学的な病態が明らかでなく、有効な治療法が無い。近年、ALS/FTD発症の原因としてC9orf72遺伝子の異常な繰返し配列((GGGGCC)n)が報告された。このC9orf72遺伝子異常を伴うALS/FTD(C9-ALS)患者由来の細胞では、PR(プロリン・アルギニン)ポリペプチドを含む病的な毒性ポリペプチドが作られ、その標的がLC(low-complexity)配列を有するタンパク質であることが明らかになってきた。本研究では、この毒性ポリペプチドの解析を通じて、神経変性疾患及び類似疾患を含む神経難病の病態解明を目指す。
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研究成果の概要 |
C9orf72 遺伝子のGGGGCCリピート配列から産生されるプロリン:アルギニン(PR)ポリペプチドは細胞毒性を有し、中間径フィラメント(IF)に結合する。しかし、PRポリペプチドが細胞骨格や接着斑に与える影響は不明であった。PRポリペプチドは、IFの分岐部の増加、細胞の硬さの増加、アクチンフィラメントの分布変化、FAサイズの増加を誘導した。また、PRポリペプチドとIF阻害剤は細胞の剥離を抑制した。さらに、PRポリペプチドは機械的ストレス応答因子の発現を増加した。これらの結果は、PRポリペプチドが細胞の機械的特性や機械的ストレス応答を変化させ、ALSの病態に関わる可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞の機械的特性や機械的ストレス応答は、細胞の恒常性に関与し重要である。しかし、筋萎縮性側索硬化症(ALS)においてこれらがどのように変化しているか不明であった。本研究は、細胞の表面の硬さの変化や機械的ストレス応答の変化が、ALSの病態に関与する可能性があることを始めて明らかにしたもので、ALSの病態解明の一助になると考えられる。
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