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RNA-seq解析を用いたケタミンの抗うつ作用機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K17054
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52030:精神神経科学関連
研究機関千葉大学

研究代表者

張 凱  千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 特任助教 (10803108)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2019年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワードケタミン / 抗うつ薬 / NMDA受容体 / うつ病 / 作用機序
研究開始時の研究の概要

麻酔薬ケタミンの抗うつ作用は、治療抵抗性うつ病患者において、即効性の抗うつ効果を示すことから、クロルプロマジン以来の大発見と言われている。しかしながら、現在のところ、ケタミンの抗うつ効果に関する詳細な機序は不明である。本研究では、うつ病の社会的敗北ストレスモデルを用いて、両異性体投与後に変化する遺伝子のRNA-seq解析を実施する。得られたデータをGene Set Enrichment Analysis (GSEA)して、有望な候補遺伝子群を明らかにして、R-ケタミンの抗うつ作用に関わる新規ターゲットを同定する。

研究実績の概要

NMDA受容体拮抗薬ケタミンは、治療抵抗性うつ病患者において即効性の抗うつ効果と持続効果を示すことが知られており、欧米では適応外使用が日常的に行われている。米国の大手製薬企業ヤンセン社が、NMDA受容体への親和性が強いS-ケタミンの点鼻剤を開発し、2019年3月に米国FDAに承認された。一方、我々はNMDA受容体への親和性が弱いR-ケタミンの方が、S-ケタミンより抗うつ効果が強く、副作用が少ないことを動物モデルを用いて報告してきた。2017年に米国企業に導出し、2019年に海外での臨床試験を開始した。
動物モデルにおいて、R-ケタミンがS-ケタミンより優れていることは他の研究グループからも追試されたが、両異性体の抗うつ効果の違いの機序は未だ明らかでない。今回、うつ病のモデルマウス(社会的敗北ストレスモデル)を用いて、両異性体を投与し、3日後の前頭皮質を取り出し、RNA-Seq解析を実施した。さらにGSEA (Gene Set Enrichment Analysis)解析を行い、両異性体で発現が異なる遺伝子群(成長因子の仲間)を見出した。さらに、この遺伝子の阻害剤や中和抗体を前投与すると、R-ケタミンの抗うつ効果が消失することを見出した。興味深い事に、この遺伝子産物(ペプチド)をうつ病モデルマウス(社会的敗北ストレスモデル、学習性無力モデル、炎症性モデル)に投与すると、R-ケタミン同様、即効性抗うつ効果と持続効果(投与7日後)を示した。
以上の結果より、RNA-seq解析で発見した遺伝子群(成長因子)が、R-ケタミンの抗うつ効果に寄与している可能性が示唆された。

報告書

(1件)
  • 2019 実績報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2021-12-27  

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