研究課題/領域番号 |
19K17060
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山田 晋一郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60828375)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 球脊髄性筋萎縮症 / Clチャネル / メキシレチン塩酸塩 / リバーストランスレーショナルリサーチ / イオンチャネル / 寒冷麻痺 / 稀少疾患 / ドラッグリポジショニング |
研究開始時の研究の概要 |
球脊髄性筋萎縮症(spinal and bulbar muscular atrophy, SBMA)患者で高頻度にみられる寒冷暴露による運動麻痺の悪化が、本疾患の病態の鍵を握ると考え、骨格筋細胞膜に豊富に存在するイオンチャンネルに着目した病態解明と治療開発を並行して進めるものである。細胞・マウス・患者検体を用いた病態研究を行うとともに、イオンチャンネルの機能異常を是正するメキシレチン塩酸塩の有効性及び安全性を多施設共同ランダム化二重盲検クロスオーバー比較試験により評価する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)患者の寒冷下における運動障害の病態生理を解明し、本疾患患者の運動障害に寄与する薬剤を見出すことである。 寒冷麻痺に関連するイオンチャネルの発現をRT-PCRおよびウエスタンブロットで解析した結果、SBMA患者の骨格筋ではClチャネルのmRNAおよび蛋白質の両者が低下していた。 Clチャネルの発現・機能低下はNa電流異常を惹起するため、Naチャネルブロッカーであるメキシレチン塩酸塩及びプラセボを投与する多施設共同ランダム化二重盲検クロスオーバー比較試験を特定臨床研究として実施し、メキシレチン投与時に全般的運動機能が改善する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)患者の運動障害の病態生理が明らかとなり、本疾患患者の運動障害に寄与する可能性のある薬剤が見出された。本研究は臨床データに基づき候補薬剤の探索を行い、臨床試験に繋げるいわゆるリバーストランスレーショナルリサーチであり、この手法は神経変性疾患を含む多くの難病に応用可能である。さらに、標的とする麻痺やミオトニアはSBMA以外の神経筋疾患でもしばしば認められる症状であり、本研究開発は他の疾患への波及効果も大きいと予想される。疾患修飾療法と対症療法を両輪で開発することは、今後の神経変性疾患に対する治療法開発のモデルとなることも期待される。
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