研究課題/領域番号 |
19K17068
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中西 葉子 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (80458025)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 近赤外線スペクトロスコピー / 注意欠如多動症 / 虐待 / ADHD / 逆境的小児期体験 / 精神神経科学 / 注意欠如・多動症 |
研究開始時の研究の概要 |
注意欠如・多動症(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:ADHD)が神経発達症として認識されて久しいが、近年はその異質性が注目されている。また逆境的小児期体験(Adverse Childhood Experience : ACE)と成人後の精神障害の発症との関連が示唆されている。本研究は成人期ADHDにおいてACEへの暴露の有無による表現型や神経生物学的な中間表現型への影響を多面的に検討することである。本研究によりADHDの病態理解を深めると同時に、生物学的基盤の異質性に基づく適切な診断やテーラーメードな治療方法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
ADHDにおける逆境的小児期体験への暴露の有無を調査した。ACEスコアが0の場合、ACE暴露-群、ACEスコアが1以上の場合にACE暴露+群とした。全ての対象者に対して、背景情報、社会的機能(LSAMI)、ADHD症状の重症度(CAARS)、認知機能(WISC-III、CAT)、脳画像(MRI)、神経生理学的検査(ERP、NIRS)を行った。ASD with ADHD群31名、ASD without ADHD43名、Control41名をリクルートし解析を行った。神経生理学的検査の3群間の解析に有意な差は認めなかった。虐待の指標であるCATSやACEと NIRSの値との関係性も認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ADHDを虐待の有無によって細分化を試みたが明らかな結果を得ることができなかった。さまざまな精神疾患では虐待の有無によってその臨床症状や生物学的指標が異なることが報告されているが、ADHDではそのような結果にはならなかった。今後はさらに症例数を増やすこと、ASDを背景としてもっている患者を対象としていたので純粋なADHD患者を対象にする必要がある。少なくとも虐待は多くの精神疾患に影響を与えうるものであり、引き続き研究を継続する必要がある。
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