研究課題/領域番号 |
19K17075
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 (2021, 2023) 公益財団法人東京都医学総合研究所 (2019-2020) |
研究代表者 |
吉川 茜 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00816522)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 統合失調症 / 個別化医療 / 層別化 / 遺伝要因 / 抗糖化 / 抗酸化 / チオレドキシン / ペントシジン / 終末糖化産物 / miRNA / 新規治療 / NMDA受容体 / チオレドキシンシステム / 思春期 / 糖化ストレス / 酸化ストレス / カルボニルストレス性統合失調症 / Thioredoxin/TXNIPシステム / 尿 / リシークエンス / TXNIP / 糖化 / 酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症は思春期に発症する重篤な原因不明の精神疾患であるが、我々の所属研究室は世界に先駆け、終末糖化産物蓄積と消耗性vitamin B6低下を伴う「カルボニルストレス(CS)亢進性統合失調症」という亜群同定に成功した。同亜群を対象にCNV解析を行い、病態への脳内酸化・糖化ストレス制御を担う律速酵素のシステム破綻が関与する可能性を見出した。本研究は、同システムと統合失調症病態との因果探求を目的とし、新規治療薬開発と個別化医療への発展を目指す。また、思春期大規模疫学研究と連携し、同システムの年齢依存性変化の検討から「思春期発症=慢性化」の生物学的基盤の解明に迫る。
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研究成果の概要 |
終末糖化産物の蓄積を伴う統合失調症患者において、1q21.1欠失をはじめとする遺伝要因の関与の可能性を見出すとともに、当該領域に含まれるTXNIP遺伝子は脳内における内因性糖化ストレス・酸化ストレス防御機構「Thioredoxin/TXNIPシステム」の構成要素であることから、本遺伝子のリシーケンスを行い、患者群においてのみアミノ酸置換を伴うc.224 C/T(Thr 75 Met)を同定し、in silico機能解析の結果から、damagingである可能性が示唆された。また、microRNAの結合領域である3'UTRを含め機能的である可能性のある各種variantを同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症においても、他の診療科と同様に、病態ごとに層別化された集団に対し、ゲノム情報をもとにした個別化医療の進展が待たれている。本研究においては、終末糖化産物の蓄積という中間表現型を呈する統合失調症に注目し、その遺伝要因として1q21.1欠失というコピー数多型の関与を提示し、さらに同欠失内に含まれる内因性抗糖化・酸化システムを担うTXNIP遺伝子におけるdamagingな変異を患者群で報告したことが学術的な意義があると考えている。今後、統合失調症の個別化医療を実装する際のゲノム基盤の一つを提示したという観点からは、社会的要請にこたえる研究成果であると考えている。
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