研究課題/領域番号 |
19K17090
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
關 友恵 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (50821865)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | うつ病 / lncRNA / バイオマーカー / RMRP / 気分障害 / 長鎖非コードRNA / うつ病モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
最近、タンパク質をコードしない“がらくた”と考えられていた非コードRNAの脳高次機能に対する重要性が明らかとなり注目されている。非コードRNAの中でも200塩基以上の長鎖非コードRNA(lncRNA)とうつ病との関連研究は極めて少ない。本研究では、うつ病患者の血液とうつ病モデルマウスの脳、および血液におけるlncRNAの発現変化を調べる。トランスレーショナルな一連の研究を通してlncRNAのうつ病バイオマーカーとしての有用性やうつ病態との関連性を見出し、診断の向上や創薬へ展開していくことを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、末梢血白血球におけるlncRNAの発現変化がうつ病のバイオマーカーになりうるかを検証した。定量的逆転写リアルタイムPCR(RT-qPCR)分析を用いて、うつ病(MDD)患者と健常者各29名のlncRNA発現解析を行った。健常者と比較してMDD患者ではRMRPの発現が減少しており、Y5、MER11C、PCAT1、PCAT29の発現が増加していた。RMRPの発現レベルは、うつ症状の重症度と負の相関を認めた。さらに、うつ病モデルマウスの末梢血白血球においてもRMRP発現は減少していた。RMRPの発現変化はMDDの診断バイオマーカーのみならず重症度のバイオマーカーになる可能性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大うつ病性障害(MDD)は多大な機能障害をきたす世界中で問題となっている疾患のひとつであるが、その病態生理は未だ解明されていない。診断においても、症状の組み合わせから判断する操作的診断法しかないことが最大の問題であり、うつ病の病態解明や客観的で簡便なバイオマーカーの確立が切に望まれている。本研究での5種のlncRNAの発現変化はMDDの診断バイオマーカーになる可能性があり、特にRMRPは重症度を反映するバイオマーカーになりうることが示唆された。本研究での新たな知見は、うつ病バイオマーカーの確立や、うつ病病態生理の解明に向けての前進に貢献した。
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