研究課題/領域番号 |
19K17095
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
鹿内 浩樹 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (00632556)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | うつ病 / テロメア / テロメラーゼ / TERT / 前頭前野 / 海馬 / 内側前頭前野 / テロメアーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病におけるテロメア-TERTの異常については、その詳細な病態生理学的な解析はほとんど行われておらず、臨床研究はもとより、実験動物を用いた基礎研究についても報告が少ない。本研究は、うつ病における脳内のTERT動態と発現調節メカニズムを遺伝子レベルで解明し、さらにうつ病の病態とTERTの関係を明らかにすることで、うつ病治療の新たな切り口を切り開くことを目的とするものである。
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研究成果の概要 |
テロメアは細胞周期にわたって染色体の安定化機能をもつ構造体である。近年、うつ病やPTSD などの精神疾患において、テロメア長が異常短縮することが報告された。本研究では、生後3週齢時にストレスを負荷することで作製されるうつ病動物モデル (3wFS)を用いてうつ病におけるテロメア長短縮のメカニズムについて追究した。分子生物学的実験の結果、海馬において、3wFS群のテロメア伸長酵素テロメアーゼ(TERT)のタンパクの減少が認められた。免疫組織化学染色実験の結果、海馬におけるTERTは、神経幹細胞ではなく成熟神経細胞に存在する可能性が高いことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでうつ病の病態については、モノアミン仮説やダウンレギュレーション仮説など抗うつ薬の薬理作用機序から逆行的に導かれることが主流であった。近年よく考察される神経新生仮説についても、抗うつ薬による神経由来成長因子 (BDNF)の増加と神経新生亢進の所見が決め手であり、本質的には同一の考え方である。そのため病態仮説に基づいたこれまでのうつ病の創薬は、モノアミン神経系に作用するものに限られていた。本研究は既存の抗うつ薬やモノアミン系に捉われない、うつ病研究の新しい切り口や創薬ターゲットを示すものであり、うつ病の新規治療戦略を開拓する上で一助となることが期待される。
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