研究課題/領域番号 |
19K17098
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
松井 健太郎 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 臨床検査部, 医長 (30647152)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 統合失調症 / 概日リズム睡眠・覚醒障害 / 有病率 / 精神病症状 / 社会機能障害 / 概日リズム睡眠覚醒障害 / 再発 / メラトニン |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症および統合失調感情障害(統合失調症スペクトラム障害)では、概日リズム睡眠覚醒障害(Circadian rhythm sleep-wake disorder:CRSWD)がしばしば併存すると考えられている。しかしCRSWDの併存率や、併存による社会機能の低下との関連は明らかではなく、また併存した場合の治療法も確立されていない。本研究では統合失調症スペクトラム障害患者におけるCRSWDの有病率調査を行い、CRSWDが社会機能に与える影響について検討する。さらにCRSWDが併存していた患者を対象に、高照度光療法を用いたランダム化クロスオーバー比較試験を行い、その治療効果について検討する。
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研究成果の概要 |
統合失調症患者における、概日リズム睡眠・覚醒障害(CRSWD)の併存率や、CRSWDが併存することによる精神病症状の悪化との関連、社会機能障害との関連については明らかではなかった。外来通院中の統合失調症患者105例を対象とした横断調査では、19例(18.1%)にCRSWDの併存を認めた。CRSWD併存群とCRSWD非併存群とで比較した結果、CRSWD群では非CRSWD群に比べて簡易精神症状評価尺度(BPRS)スコアが高く、機能の全体的評価(GAF)スコアが低い傾向が見られた。BPRSの下位項目のうち、不安のスコアがCRSWD群において非CRSWD群よりも有意に高かった(p<0.01)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は維持期の統合失調症患者における概日リズム睡眠・覚醒障害(CRSWD)の有病率や、精神病症状・社会機能との関係について調べた初めての研究であり、実臨床において極めて重要な情報を提供することができたと考えている。統合失調症に併存するCRSWDにより二次的に生じた不眠症状はしばしば見過ごされている可能性があり、適切な診断および介入が、患者の社会機能の向上に寄与する可能性がある。今後の研究でCRSWDの併存が統合失調症患者の長期予後に及ぼす影響について検証されることが望ましい。
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