研究課題/領域番号 |
19K17107
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
安間 裕子 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任研究員 (00836512)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 感覚過敏 / 言語機能 / コホート研究 / 自閉スペクトラム症 / 興奮/抑制バランス / MRS / 出生コホート / 言語発達 |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経系における興奮/抑制バランス(E/I balance) の不均衡は、自閉スペクトラム症(ASD) など様々な対象において報告されており、行動・認知・感覚特性の違いを説明する一要因であることが示唆されている。発達途上の小児の脳におけるE/I balanceについてはほとんど知られていないが、流動的であり、発達段階によって変化する可能性が示唆されている。本研究では、MRSを用いて、小児期のE/I balanceの変化と、E/I balanceの不均衡と感覚の過敏さ、言語能力との関連について調べる。
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研究成果の概要 |
本研究は、HBC Study に参加する児812名を対象に、幼児期(18ヶ月)の感覚に対する敏感さが、同時期の自閉スペクトラム症(ASD)の特性と関連するかどうか、幼児期の感覚に対する敏感さが学齢期(9歳)の認知機能と関連するかどうかを検討することを目的とした。解析の結果、18ヶ月の感覚の敏感さは、WISC-Ⅳの下位検査のうち、言語理解、知覚推理と有意な関連を示した。層別解析では、男児でのみこれらの有意な関連がみられた。幼児期にみられる感覚に対する敏感さは、男児において、学齢期の言語的な能力を予測するだけでなく、非言語性の推理力といった能力をも予測すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感覚の過敏さはASDの特性の一つとされ、当事者の困り感にも直結するものである。本研究でも、幼児期の感覚の過敏さが同時期のASD特性と関連することが示された。しかし一方で、この幼児期の感覚の過敏さは、学齢期の一般知能(言語理解、知覚推理)の高さを予測した。本研究ではこの関連のメカニズムを探ることはできなかったが、今後の研究でメカニズムを解明することと、感覚の鋭敏さをポジティブにとらえて能力を育む支援に活かすことの両者が必要であると考える。
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