研究課題/領域番号 |
19K17138
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院(第1診療部、第2診療部、第3診療部 |
研究代表者 |
光吉 隆真 地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院(第1診療部、第2診療部、第3診療部, 中央市民病院, 副医長 (70826015)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 放射線治療 / 転移性脊椎腫瘍 / 局所進行非小細胞肺癌 / 線量増加 / VMAT / SIB / 臨床試験 / IMRT / SBRT / 放射線治療の新規照射法の有効性の検証 / 新規照射法 / 臨床上有効性の検証 / 第Ⅰ相臨床試験 / 最適な推奨線量推定 / 回転型強度変調放射線療法(VMAT) |
研究開始時の研究の概要 |
手術不能な局所進行非小細胞肺癌に対する標準治療は化学放射線療法であるが,5年生存率は20%,局所再発率も40-50%と報告されており,良好な治療成績が得られているとは言えない.本研究では,腫瘍の再発リスクと正常臓器の耐容線量に応じて照射ターゲットを設定し,回転型強度変調放射線療法(VMAT)を用いることにより,正常臓器への線量を従来の線量程度に抑えつつ,腫瘍のみに線量増加が可能な新規照射法の臨床的安全性及び有用性について検証する.まず第Ⅰ相臨床試験として,新規照射法における推奨線量を決定する試験を実施する.引き続きその推奨線量に基づき第Ⅱ相臨床試験を行い,新規照射法の臨床上の有効性を検証する.
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研究実績の概要 |
本研究は,回転型強度変調放射線療法(VMAT)を用いて正常臓器への線量を従来の線量程度に抑えつつ,腫瘍のみに線量増加させる独自の新規照射法での手術不能な局所進行非小細胞肺癌に対しての推奨線量を決定し,臨床上の有効性を検証することを目的としている.本研究は前向き臨床研究であるため,症例集積は重要な課題であるが,勤務施設の異動があり,症例集積を予定通りには進めることができなかった.昨年度までに10症例の症例集積を完了し、大きな有害事象は認めていない。ただこれ以上の症例集積は難しいことから、現在の線量Level2の症例集積をもって早期終了予定となった。 一方で,本新規照射法を転移性脊椎腫瘍へ応用した臨床試験(転移性脊椎腫瘍に対して,標的体積内同時ブースト (simultaneous integrated boost, SIB)を用いた回転型強度変調放射線療法(VMAT)による体幹部定位放射線治療(stereotactic body radiotherapy, SBRT)を実施し,その有効性及び安全性を探索的に検討する第 II 相試験(UMIN000041948))については,症例集積も順調に進み,今年の3月に28症例の登録が終了した.本臨床試験で提案する照射法は,放射線治療の技術的な照射法に関するコンセプト自体は,上記局所進行非小細胞肺癌に対して提案したものと全く同じ照射法であり,本臨床試験により,本研究提案の新規照射法の有用性を示すことは,当初の研究予定の疾患対象は異なるが,臨床的に大変意義のあることだと考えている.現時点の追跡調査では有害事象頻度は許容の範囲内で,再発も1例のみと非常に良好な治療成績であると考えている.この臨床研究については,主要評価項目を1年局所制御割合としているため,来年3月以降に結果報告・論文投稿を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、手術不能な局所進行非小細胞肺癌に対しての新規照射法の有用性を検証する第Ⅱ相臨床試験を行っているが,前項でも記載したように臨床試験の進捗については,症例集積に関して直接携われなかったために,予定通りには進まず,10症例の症例集積をもって早期終了とした. 一方で,本新規照射法を転移性脊椎腫瘍にも応用した第Ⅱ相臨床試験については,予定通り今年の3月に登録予定数28例の症例集積を完了した。現在治療後経過をフォロー中であるが,主要評価項目を1年局所制御割合としているため,報告は来年の3月以降となる.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画の局所進行非小細胞肺癌に対しての新規照射法の実臨床での有効性を確認する臨床試験ついては,期間内での症例集積は難しく,早期での臨床試験終了とした.一方,転移性脊椎腫瘍に対する新規照射法の実臨床での有効性を確認する臨床試験については,2023年3月に28例の症例集積を完了しており,1年間の追跡調査を経て,本新規照射法の有効性を報告したいと考えている.
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