研究課題/領域番号 |
19K17155
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
松本 真之介 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 物理工学部, 主任研究員 (10742744)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 重粒子線治療 / 放射線計測 / モンテカルロシミュレーション / 放射線防護 / 中性子線量 / モンテカルロ計算 / 2次がん / リスク評価 / 線量測定 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、粒子線治療は良好な治療成績を収めているが、治療時に発生する2次粒子線の曝露によるがんの発生が報告されている。しかしながら特に2次がんが問題になる小児においては炭素線治療の2次がんの評価は実施されていない。 本研究は炭素線治療における2次がんリスクを評価し陽子線治療等と比較することで、小児炭素線治療の推進に資することを目的とする。 本研究はモンテカルロシミュレーションコードPHITS 上に炭素線治療を詳細に再現する。これを用いて小児炭素線治療における2次粒子線の被ばくの評価を行なう。線量の計算結果とがん発生のリスクモデルを用いて炭素線治療時に発生する2次粒子線の発がんリスクを評価する。
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研究成果の概要 |
小児の放射線治療において、陽子線治療と比較して重粒子線治療がより放射線治療後の放射線誘発性の2次発がんリスクを低減させることができる可能性を示唆したことが本研究の主たる成果である。 特に、放射線による被ばく線量の評価によく用いられるモンテカルロシミュレーションによる臓器に対する被ばく線量の計算結果では、陽子線治療に対して重粒子線治療はがん以外の臓器に対する中性子の被ばく線量を5-16%にまで減少出来る事を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、小児のがん治療に対して陽子線治療は保険収載されている一方で、陽子線治療以上の良好な治療効果が期待出来るにもかかわらず重粒子線治療は保険収載されていない。この理由の一つとして、陽子線治療では小児における2次粒子線によるリスク評価は実施されているが、炭素線治療では小児における2次粒子線の評価が行われていないことが挙げられる。 本研究の成果によって、小児に対する陽子線治療と比較して重粒子線治療がより患者の2次発がんリスクを低減出来る事が示唆された。
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