研究課題/領域番号 |
19K17161
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
家子 義朗 岩手医科大学, 医学部, 助教 (60825793)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Radiomics / DIR / 放射線治療 / 変形画像レジストレーション / 非剛体位置合わせ / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線治療における照射期間中の腫瘍縮小や患者の体形変化等に対応し正確な線量評価を行うために、高精度な画像レジストレーション技術が必要となっている。しかしながら、従来のアルゴリズムは不確かさによる再現性の問題や画像の過変形などの課題が存在する。そこで本研究では、画像の濃淡だけではなく、近傍部位との濃度差、画像パターン等により抽出した膨大な高次元画像特徴量を定量解析可能なRadiomics解析を応用することを考えた。真に精度向上に寄与する画像特徴量をRadiomics解析により抽出し、アルゴリズムに組み込むことによって、高精度な画像レジストレーションアルゴリズムの開発を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はRadiomics解析を非剛体画像レジストレーション(deformable image registration:DIR)技術に応用し、より精度の高いDIRアルゴリズムを開発することである。治療期間中の腫瘍縮小や体型変化による再計画を行った場合でも線量評価を正しく行い患者個別の最適な放射線治療を提供するために、異なる体型や呼吸位相におけるCT画像間でのDIRを高い精度で行う必要がある。 2022年度は、Radiomicsを用いたDIRアルゴリズムの開発を行い、その精度評価を実施した。10症例の胸部4次元CT画像において、目標画像を最大呼気相画像、被変形画像を最大吸気相画像としてDIRを行い、従来のDIRアルゴリズムとのDIR誤差を比較した。本研究では、CT画像を直接DIRするのではなく、まず目標画像と被変形画像であるCT画像をそれぞれRadiomics mapに変換した。これは画像フィルタ処理のように、局所的にRadiomics特徴量値を計算することによって、CT値からRadiomics特徴量値へと変換した。次に、そのRadiomics mapどうしにおいてDIRを行った。最後に、そのDIRによって得られたボクセルベースの画像変形量情報を用いて被変形画像であるCT画像を変形し、変形画像を生成した。結果、開発したDIRアルゴリズムは、CT画像を直接DIRする従来アルゴリズムと比較し、低いDIR誤差を示した(3次元のDIR誤差 [95th percentile] において3.98 mmに対して2.49 mm)。尚、本研究において発明したRadiomicsを応用したDIRアルゴリズムに関して、特許出願まで行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Radiomics解析を応用したDIRアルゴリズムの開発に時間を要したが、精度評価と特許出願まで行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
Radiomics特徴量や画像変形量の取得方法について最適化を行い、更なる精度向上を目指す。
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