研究課題/領域番号 |
19K17166
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯國 慎平 京都大学, 薬学研究科, 助教 (70837731)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 炭酸脱水酵素IX / セラノスティクス / イメージング / 固形腫瘍 / 炭酸脱水酵素-IX / ラジオセラノスティクス / がん低酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
セラノスティクス(TN)は治療と診断を統合的に行う医療領域である。炭酸脱水酵素-IX (CA-IX)は低酸素がん細胞に高く特異的に発現する。CA-IX標的薬剤としてスルホンアミド誘導体が現在までに多く報告されているが、それらは生体に投与後のCA-IX高発現腫瘍への集積量があまり高くない。一方、近年にCA-IX選択的阻害作用が報告されたクマリンを基盤とするTN用薬剤に関する報告は未だ無いことから、CA-IX標的TNに関するクマリン誘導体の有用性評価は、CA-IX標的薬剤の開発に有益な情報を与えると考えられる。そこで本研究では、クマリンを基盤としたCA-IX標的がんTN用薬剤の開発を計画した。
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研究成果の概要 |
固形腫瘍の低酸素領域に高く発現することが知られている炭酸脱水酵素IX(CA-IX)を標的としたがんセラノスティクス薬剤の開発を計画した。クマリン骨格の安定性に問題があることが示唆されたため、新規CA-IXリガンドとして以前に我々が見出したイミダゾチアジアゾールスルホンアミド(IS)をクマリンの代わりに用いることとした。ISを基盤とした放射標識CA-IXイメージングプローブを開発するため、111In、68Ga、および99mTcにより標識したIS誘導体をそれぞれ設計・合成した。CA-IX高発現腫瘍移植マウスを用いた検討により、いずれの化合物もセラノスティクス薬剤として有用である可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固形がんにおける低酸素領域は、がんの化学療法や放射線治療に対する抵抗性を示すため、その領域を生体イメージングにより体外から可視化することは患者の治療方針の決定に有意義である。炭酸脱水酵素IXはがん低酸素領域に高発現することが報告されているため、本研究成果である炭酸脱水酵素IXを標的とした放射性薬剤により、患者におけるがんの低酸素領域の場所を体外から可視化できる可能性が示された。また、本研究成果を治療用放射性薬剤に応用することにより、患者一人ひとりの病態に適合する治療(個別化医療)を展開できると期待される。
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