研究課題/領域番号 |
19K17179
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山本 章太 東海大学, 医学部, 臨床助手 (20799548)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 呼吸器感染症 / 慢性肺アスペルギルス症 / 喀血 / ドラッグリバリーシステム / 生分解性ポリマー / 血管内治療 / ドラッグデリバリーシステム / 薬剤溶出性ビーズ / 肺アスペルギルス / 肺アスペルギルス症 / 気管支動脈塞栓術 |
研究開始時の研究の概要 |
肺アスペルギルス症は糸状真菌であるアスペルギルス属によって生じる肺の慢性感染症である.約50-60%で喀血・血痰を呈し,大量喀血時は致死率50%以上と報告されている.喀血の治療として,ゼラチンスポンジ細片や医療用の血管塞栓用球状塞栓物質(ビーズ)を血管内に注入して止血効果を得る気管支動脈塞栓術は短期的な有効性が確立されているが,再喀血率が高く長期的なコントロールは困難である.現行の塞栓物質では長期的な止血効果・抗真菌効果が見込めないため,本研究では抗真菌薬・油性造影剤・生分解性ポリマーを用いた新規の薬剤溶出性塞栓物質(Drug-eluting beads: DEB)を開発する.
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研究成果の概要 |
肺アスペルギルス症は,肺の慢性感染症である.肺構造を破壊しながら空洞と菌球を形成し,大量喀血をきたすことがあり,致死率は11-50%と報告されている.ゼラチンスポンジ細片や血管塞栓用球状塞栓物質(ビーズ)を注入して止血効果を得る気管支動脈塞栓術は短期的な有効性が確立されているが,1年後には半数以上で再喀血する.現行の塞栓物質では長期的な止血効果・抗真菌効果が見込めないため,新たな機能を有する塞栓物質の開発を行った.本研究では,抗真菌薬・油性造影剤・生分解性ポリマーを用いた新規の薬剤溶出性塞栓物質(Drug-eluting beads: DEB)を作製し,工学的特性と抗真菌作用の確認を行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
喀血に対する単純な血管塞栓術と経静脈的抗真菌薬の併用は標準的だが難治性である.トリアゾール系抗真菌薬のボリコナゾールは高い血中濃度では肝不全や完全失明に至る例があり,定期的な血中濃度測定が推奨されている.本研究成果によるビーズを用いることで,血管塞栓効果とともに感染局所のみに高い薬物濃度を維持することが出来,有効性と安全性を両立できる可能性がある.肺アスペルギルス症の治療において血管内からのアプローチはかつて存在せず,同分野の治療方針を変革し得る研究である.
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