研究課題/領域番号 |
19K17180
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
中原 直哉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10632193)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | DSC / 水 / 骨格筋 / MR信号 / 筋タンパク |
研究開始時の研究の概要 |
MRIでは病気ごとに違う水の状態を利用して画像にしている。ただし、実際にはMRIでみる水の状態は同じようにみえても複数の解釈があり、経験を合わせて診断している。この水の状態をMRIとは違う、周囲の水分子との相互作用エネルギーの変化を反映する融解熱という観点でみるのが本研究である。実際細胞内には-20℃以下に融解熱をもつ水がある。サルコメアを基本構造として、規則周期的に構成されている骨格筋なら融解熱の局在を解明するのに適している。この-20℃以下に融解熱をもつ水が骨格筋細胞の中の具体的にどこにあるのか、この水はMRIでみている水の状態とどのような関係があるかを解明するのが、研究の目的である。
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研究成果の概要 |
MR画像でみる水分子の状態はその理論的な解釈がまだ不十分である。そこで細胞内の水分子間相互作用を直接融解潜熱エネルギーとして評価するのが本研究である。 除細胞膜骨格筋細胞をDSCにより-80℃から温度上昇をさせ、比熱・融解潜熱を測定すると0℃だけでなく-24℃や-21℃で融ける水があることが明らかになった。アクチン・ミオシンの除去・変性を行うことで、-24℃の水は主にアクチンの状態に由来し、-21℃の水はサルコメア構造やアクチンに由来することが示唆された。更に積算比熱はアクチンがない条件ではある条件よりも低下した。これらの結果から細胞内の水状態とその局在をエネルギーとして評価できたと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来のMR信号での解析では水分子の集団としてのふるまいを検出することは可能であったが、水分子間相互作用をエネルギーとしての評価をすることは困難であった。本研究で行ったDSCによる評価は水分子間相互作用をエネルギーとして評価するだけでなく、その水分子の局在まで明らかにできた。これらの研究を進めていくことで、生体内の水分子の相互作用エネルギーとMR信号の対応付けを行うことで、MR画像を理論的な解釈が可能なものにしていく一助になると考えられる。
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