研究課題/領域番号 |
19K17183
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
川内 覚 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (50808376)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | コーンビームCT / 脳血管内治療 / 水晶体防護 / ビスマス / 鉛防護眼鏡 / 放射線白内障 / 水晶体線量低減率 / アーチファクトインデックス / IVR / 水晶体線量 / 水晶体防護具 / 蛍光ガラス線量計 |
研究開始時の研究の概要 |
カテーテルや金属コイルを用いて脳動脈瘤や脳動静脈奇形等の治療を行う脳血管内治療では、手技に要する時間が通常の脳血管撮影と比べて延長するため、X線に伴う患者被ばく線量、特に水晶体線量の増大が懸念されている。その中で、手技中に撮影するコーンビームCTは、水晶体線量の増大因子として考えられている。 本研究では、コーンビームCT撮影に伴う水晶体線量低減を目的として、防護素材を用いた専用の水晶体防護具の開発を行い、放射線白内障といった将来的な放射線障害の防止を目指してくこととする。
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研究成果の概要 |
本研究はコーンビームCT撮影に特化した水晶体防護具の開発を行い、脳血管内治療時の水晶体線量の低減を図ることを目的とする。 防護具に用いる素材と配置条件に着目して、水晶体線量低減率と画質の検証を行った。 防護具の素材の検討では、ビスマスと鉛防護眼鏡が最適であった。ビスマスの配置条件の検討では、配置距離は被写体表面から10mm、配置位置は眼球の位置に対して外側寄り、厚さは1枚が最適であった。最適化された配置条件において、水晶体線量の低減率は、26.9 ± 0.36%(左右平均)であった。水晶体防護具を用いることにより、脳血管内治療におけるコーンビームCT撮影時の水晶体線量の低減に貢献できると考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、医療放射線被ばくにおける水晶体線量の低減の必要性は高まっている。本研究で開発した水晶体防護具を用いることで、脳血管内治療における患者水晶体線量の低減に大きく寄与できると考える。さらに、将来的には患者の放射線白内障の発生の抑制にも寄与できると考える。本研究成果は、脳血管撮影におけるコーンビームCTのみならず、一般的な頭部CT撮影の水晶体防護具としても応用可能である。頭部CTは、実施施設や撮影件数も多いため、防護具の開発により医療全体の患者被ばく線量を低減させる波及効果も期待できる。
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