研究課題/領域番号 |
19K17199
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 島根大学 (2020-2023) 兵庫医科大学 (2019) |
研究代表者 |
丸山 光也 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (80770122)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 門脈塞栓術 / 肝肥大 / 無水エタノール / n-butyl-2-cyanoacrylate / 肝肥大予測バイオマーカ― / 大量肝切除 / 肝肥大予測バイオマーカ |
研究開始時の研究の概要 |
門脈塞栓術は、肝切除術前に切除予定区域の門脈をあらかじめ塞栓することで、残存肝容量を増大させる手技である。しかし、門脈塞栓術後も約8%の頻度で術後肝不全となり、その場合の致死率は50-80%である。残存肝を十分肥大させておく必要があるが、至適門脈塞栓方法は明らかではない。また、十分な残存肝肥大効果を早期に予見できるバイオマーカーがあれば、追加塞栓の適応決定や肝切除時期の決定において大変有用であるが、バイオマーカーは確立されていない。本研究では、より適切な門脈塞栓術の方法を模索し、残存肝肥大効果を早期に予見できるバイオマーカーの確立を目指すことにより、肝切除成績の更なる治療成績向上に貢献する。
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研究成果の概要 |
門脈塞栓術は切除予定区域の門脈をあらかじめ塞栓することで、残存肝容量を増大させる手技である。ラット門脈塞栓モデルを作成し、非塞栓領域の肝肥大率と塞栓領域の肝萎縮率を算出した。無水エタノール群と比較して、n-butyl-2-cyanoacrylate:NBCA郡のほうがより非塞栓領域の肝肥大と塞栓領域の肝萎縮を認めた。また、無水エタノール群とNBCA群の血管内皮障害を比較すると、エタノール群では500μm以下の血管内皮障害が強かったが、壊死には寄与しないことが示唆された。非塞栓領域組織サンプルより、残肝肥大率を早期に予測できるmicroRNAバイオマーカを探索したが、発見には至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
門脈塞栓術は切除予定区域の門脈をあらかじめ塞栓することで、残存肝容量を増大させる手技である。安全に大量肝切除術を行うためには、残存予定肝を十分肥大させておく必要がある。系統的レビューでは、無水エタノールとn-butyl-cyanoacrylate (NBCA)がより残存肝肥大を誘発することが示されいる。しかし、現時点では、門脈塞栓術における無水エタノールとNBCAの優劣は明らかになっていない。ラット門脈塞栓モデルを用いた本研究では、NBCA郡のほうが、無水エタノール群より非塞栓領域の肝肥大と塞栓領域の肝萎縮を認めた。よって、門脈塞栓術に適した塞栓物質はNBCAであることが示唆された。
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