研究課題/領域番号 |
19K17205
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
村井 太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00747602)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 放射線治療 / 放射線腸炎 / 半夏瀉心湯 / 多施設臨床試験 / リキッドバイオプシー / 多施設共同試験 / 放射線生検 |
研究開始時の研究の概要 |
骨盤部放射線治療に伴う急性期放射線腸炎は、患者の生活の質を下げ、治療期間の延長により臨床成績を低下させる。①本研究では二重盲検ランダム化比較試験(半夏瀉心湯 vs 従来型治療(ロペラミド))を行い、半夏瀉心湯が急性期放射線腸炎に対する標準治療となることを示す。②加えて、試験に参加した子宮頸癌症例のデータを活用し、新しい診断技術「放射線生検」の開発を試みる。子宮頸癌への放射線治療前、治療後、小線源治療後に腫瘍より放出される微量なDNA断片を測定する。DNA検出率を向上させる照射法を明らかにすることにより、あたかも生検術のように特定病変の腫瘍遺伝子変異を検出する診断技術「放射線生検」を開発する。
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研究成果の概要 |
研究テーマの一つであった半夏瀉心湯による放射線腸炎の克服については、特定臨床試験として、多施設共同無作為化比較試験を計画し認定臨床研究審査委員会の認定を受け、jRCTに登録した。しかし、実際に開始すると、①コロナ禍による症例の減少、②新しい放射線技術(強度変調放射線治療)の導入による放射線腸炎の減少により、症例登録が全く進まなかった。研究者の他施設への異動もあり、試験は中止することとした。研究に使用しなかった資金は返金した。このほか、研究に関連した基礎研究および臨床研究について論文化した。特定臨床研究に先駆けて行っていた、多施設第二相試験についても論文化した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線腸炎は、腹部への放射線治療により発生する腸炎である。頻回の下痢を引き起こすことにより、患者の生活の質を大幅に低下させる。本研究により、漢方薬の一つである半夏瀉心湯が有効である可能性が明らかになった。 しかし、近年、放射線治療技術の発達により、放射線腸炎の頻度は著明に下がっている。従来の止痢薬との比較ため多施設共同無作為化比較試験を開始したが、症例数の関係から現実的ではないかもしれない。従って、実臨床においては、半夏瀉心湯は、治療薬として選択肢として良いと考えられる。
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