研究課題/領域番号 |
19K17206
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
三浦 幸子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60597095)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 陽子線 / 放射化画像 / 生物学的効果比 / 放射線肺臓炎 / 肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
肺癌の陽子線治療における照射線量・線量分布、生物学的効果比(relative biological effectiveness;RBE)と肺の間質性変化・放射線肺臓炎との関連について、in vitro(培養細胞や寒天など)でのRBE、および臨床例での機能画像・放射化画像等と、治療後の画像変化の推移の比較検討から解明する。
|
研究実績の概要 |
当大学の関連施設である陽子線治療センター内に併設されている、当大学の「陽子線がん治療研究センター」は、容易に陽子線照射実験や放射化画像撮影を行う ことが可能である。同施設で引き続き継続を行った。 容積測定アクリルファントムに陽子線を照射し、その後の放射化画像を取得、得られた画像から照射線量や線量分布との比較を行った。 具体的には、容積測定アクリルファントム内に数種類の物質を入れ、同一条件で陽子線を照射し、その後PET/CTを撮影することによって放射化画像を取得した。各々の物質における線量分布を画像化し、定性的、お よび相対比較による半定量化を行い解析中である。 肺野を模倣したコルク部では陽子線の透過性が高く、治療計画と比較して深部への線量増加が認められた。 一方、精製寒天ではほぼ治療計画通りの均一な分布が得られ、組織片では組織性状によって異なった不均一な分布を示した。上記のことから腫瘍および周囲正常組織に与える陽子線の影響について検討を進めている。 また、3Dプリンターを用いて肺のファントムを作成し、陽子線を照射することで、肺内という空気の多い組織内での陽子線の動向についても検討を継続中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究開始当初、アクリルファントムに陽子線を照射し、その後の放射化画像を取得、得られた画像からファントムの内容物質による照射線量や線量分布の違いを比較検討していたが、COVID-19流行により陽子線がん治療研究センターへ出向くことが困難な時期が長く続き、遅れを生じている。 また、臨床例についても陽子線がん治療研究センターでの医師配置の変更から、肺癌症例が得られなくなり、再派遣の見込みがないため、臨床例の検討は止まっている状態である。
|
今後の研究の推進方策 |
陽子線がん治療研究センターでの研究は再開できたため、容積測定アクリルファントムに対する陽子線照射を異なる環境下で行い、その後の放射化画像を取得 し、照射線量や線量分布との比較を行う。 陽子線がん治療研究センターでの医師配置の変更から肺癌症例が得られず、臨床例の検討は困難な状況であるため、ファントムを用いた基礎的実験を進め、3Dプリンターを用いて肺ファントムを作成し、陽子線を照射することで、肺内という空気の多い組織内での陽子線の動向についての検討を行う。
|