研究課題/領域番号 |
19K17214
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 京都大学 (2020-2021) 産業医科大学 (2019) |
研究代表者 |
渡邉 啓太 京都大学, オープンイノベーション機構, 特定准教授 (70565663)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 大うつ病 / 海馬 / ネットワーク / VBM / MRI / Connectome / voxel based morphometry / brain network / hippocampus / depression |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では大うつ病患者と健常被験者を対象に高分解能の脳MRI検査を行い、大うつ病における海馬および辺縁系内のnetworkの異常部位を特定する。次に、特定されたnetworkの定量値と大うつ病の重症度や抑うつ気分、自殺企図などの臨床症状、ストレス尺度、認知機能との関係を調査することで、大うつ病の発症および症状の原因となる海馬および辺縁系内のnetworkの異常を究明する。
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研究成果の概要 |
大うつ病と健常者を対象に、脳構造画像の高い空間分解能を利用して、海馬内のネットワークを描出した。調べた限り、脳MRI画像を用いいて、data drivenに海馬内のネットワークを描出したのは本研究が世界で初めてとなる。結果として、左右の海馬が連動するネットワークと海馬長軸方向に連動するネットワークが描出された。 また、大うつ病患者では、左右の海馬が連動するネットワークが健常者と異なることが判明した。また、このネットワークを定量化することで、使用したデータセット内では正確性78.1%にて、大うつ病と健常者を判別することが可能であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では、脳構造画像の高い空間分解能を利用して、海馬内のネットワークを描出および定量化する手法を開発した。脳内のネットワーク解析は脳機能画像や拡散テンソル画像が主流であるが、フラッグシップモデルのMRIを使用する必要がある。今回開発した手法では、一般的なMRIでも評価が可能な上により詳細なネットワーク解析が行えると考えている。この手法は日常診療で行われるMRI検査を含めて、幅広く応用が可能である。 また、本手法で計測する海馬内ネットワークの指標は、大うつ病の診断や重症度の評価において客観的なバイオマーカーとなり得る可能性が示唆された。
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