研究課題/領域番号 |
19K17230
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
岩崎 遼太 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (20782139)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ホウ素中性子捕捉療法 / CBE factor / 骨強度 / 線維化 / 晩発性障害 / BPA / 正常骨 / 晩期障害 / 骨 |
研究開始時の研究の概要 |
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)はがんを高選択的に攻撃する放射線治療であるが、照射野内に含まれる正常組織に対する影響についても考慮しなければならない。本研究では、正常な筋および骨に対するX線およびBNCTによる耐容線量をそれぞれ求め、結果を比較する。研究項目は以下の通りである:1. マウス後肢へのX線照射もしくはBNCTによる、筋および骨の晩期障害発生頻度の比較。2. ホウ素薬剤投与後の組織中ホウ素分布の解析。3. 腫瘍移植マウスに対するX線照射もしくはBNCTによる、抗腫瘍効果の比較。 この基礎実験により、科学的根拠に基づいた適正なBNCT線量による臨床応用が可能となる。
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研究成果の概要 |
正常筋では筋線維化(RIF)モデルの作出実験を実施。75Gy/3FrのX線を2系統のマウス右後肢に照射し、マッソントリクローム染色によりC3H/Heは12週後、C57BL/6は8週後に下腿筋のRIFを確認した。ウェスタンブロット法によるフィブロネクチンおよびTGFβの発現解析では、C57BL/6においてより早期から発現が増加した。 正常脛骨において、ホウ素薬剤BPAは成長板、海綿骨、骨髄および骨膜・骨内膜に局在し、BPA投与120分後までその濃度を維持した。また、X線照射およびBNCT施行12週後の骨強度低下を生物学的エンドポイントとした際の、X線等価線量への換算係数CBE値を2.34と求めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で確立したRIFモデルマウスは、RIF発症機序の解明に寄与するとともに、今後の中性子線照射やBNCTを行う上での基礎データを提供するものである。 骨においてはBNCTでも骨強度の低下が起こりうるという知見が得られたが、求めたCBE値を処方線量に組み込み、さらなる照射実験により正常骨に与える晩期的影響を評価することで、将来的に適正な線量を勘案したBNCTの実施が可能となるであろう。
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