研究課題/領域番号 |
19K17240
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
太田 賢吾 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (70790062)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | fiducial marker / prostate cancer / hydrogel |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺癌の放射線治療においては直腸出血などの合併症があるが、陽子線治療前に前立腺内に位置合わせ用マーカーを留置することで、前立腺の正確な同定を行い、合併症の低減されることが報告されている。最近になり、前立腺と直腸の間にハイドロゲルを注入することで、直腸への照射線量を低く抑え、直腸障害の減少を図る処置が保険適応となった。しかし、ハイドロゲルのみでは照射を行うときの位置同定が十分ではなく、誤った範囲に放射線照射を行ってしまう可能性もある。今回私たちはハイドロゲルと従来のマーカーを組み合わせることで、前立腺の正確な同定を行い、合併症を抑えかつ再発の少ない放射線治療を行うことを目的としている。
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研究実績の概要 |
fiducial markerを使用した、肝および膵での臨床研究のデータを現在作成中です。肝での臨床研究は300例での使用経験をまとめ、technical successおよびcomplicationをまとめております。成績は概ね良好であり、このような多症例での使用経験をまとめた報告はほかになく、有用性は高いと思われます。現在論文を投稿中です。 また膵での臨床研究も、20例ほどの報告を世界に先駆けてIVR学会総会にて発表し、現在国際学会であるCIRSEに投稿中です。膵臓への経皮的穿刺によるマーカー留置法はこれまで発表されたことがなく、有用性が高いと思われます。現時点では合併症もなく、今後さらに症例を重ね、論文を執筆していく予定です。また経血管的にfiducial markerを留置した経験も多数重ねており、比較するに十分な症例数の蓄積がされているため、今後は留置方法による検討も行ってまいります。 前立腺のfiducial markerの留置は既に論文発表されており、留置方法によってfiducial markerが正しく留置できるかの検討を行っております。経会陰的留置と、経直腸的留置を行っておりますが、経会陰的留置の方が疼痛は強いが、狙った位置に留置することが可能であることを世界に先駆けて発表しております。今後はさらなる症例の蓄積をはかり、より安全で確実な留置方法の検討を行ってまいります。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
fiducial marker単独使用についての研究は多くの分野で進んでいますが、hydrogelとの併用の使用は倫理審査の面で難渋しており、現在も研究の改良を進めているところです。
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今後の研究の推進方策 |
今後はさらなるfiducial markerの応用を進めていき、多くの臓器で有用性を示していく予定です。特に膵臓の分野では他に報告はなく、世界に先駆けた研究となっており、引き続き症例収集を行っております。
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