研究課題
若手研究
近年の飛躍的に発展したSPECTの画像統計解析を用いた我々の予備的検討では、抗パーキンソン病(PD)薬による症候改善に連関して脳血流が変化する可能性が示唆されている。これを基に、本研究では、同一日に2回脳血流SPECTを撮影することで、1回の抗PD薬投与による症候と脳血流の変化について解析する。これにより、我が国で汎用されているSPECTによる簡便で新たな抗PD薬効評価システムの確立を狙うのみならず、その過程で得られた脳血流反応がPD病態の解明につながる新たな知見をもたらすことをも期待する独自的・創造的試みが本研究である。
Single photon emission computed tomography(SPECT;シンチグラフィー)の画像統計解析を用いた我々の予備的検討において、パーキンソン病(Parkinson's Disease: PD)治療薬による症候改善に連関して脳血流が変化する可能性が示唆されている。この知見を基に、本研究ではInternational Parkinson and Movement Disorder Society (MDS)の診断基準を満たすPD患者を対象に99mTc-ECDを投与して脳血流SPECTを撮影、併せてパーキンソン症候を評価した。得られたSPECTデータは、SPM2、eZIS、vbSEEなどの画像解析ソフトウェアを用いて網羅的かつ詳細に解析。一方、パーキンソン症候についてはMDS- Unified Parkinson's Disease Rating Scale(MDS-UPDRS)を用いて客観的に評価。症候と脳血流の変化およびその両者の相関性について検討している。これにより、我が国で汎用されているSPECTによる簡便で新たな抗PD薬効評価システムの確立を狙うのみならず、その過程で得られた脳血流変化の連関トポロジーがPD病態の解明につながる新たな知見をもたらすことをも期待するものである。本年度は、臨床情報を収集しながら、得られたデータの解析をおこなった。これら研究活動に必要な物品・学術情報を得るため研究費を活用した。
2: おおむね順調に進展している
COVID-19の影響を受けたため当初計画より遅延しているものの、臨床情報の収集自体は進捗している。
引き続き臨床情報を収集しながら、得られたデータの解析を継続。延長最終年度の令和5年度は、これまでおこなった研究を総括したい。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
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