研究課題/領域番号 |
19K17256
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
亀田 浩之 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (70829887)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 17O-MRI / glymphatic system / Neurofluids / stable isotope / isotope microscopy / 水動態解析 / MRI / 同位体顕微鏡 / 安定同位体 / 核磁気共鳴画像(MRI) |
研究開始時の研究の概要 |
脳内リンパ系(glymphatic system)は、脳・脊髄での水の動きに関する新しい概念である。脳内リンパ系は脳内の老廃物の排泄に関わっており、その障害はアルツハイマー病などの神経疾患の発症に関与している可能性があるが、その基本的な仕組みは未解明である。本研究では、酸素の安定同位体O-17で標識された水分子を新たな水トレーサーとして用い、MRIと同位体顕微鏡でその動きを観察することで、脳・脊髄での水の動きに関する基本的なメカニズムを明らかにする。また、アルツハイマー病などの様々な神経疾患との関連を明らかにする。
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研究成果の概要 |
17O-MRI間接法において、17O水をラットに髄腔内・血管内投与しながら評価できる実験系を確立し、正常ラットで17O水の髄腔内動態を可視化できた。17O動注モデルでは、脳動脈血から頭蓋内への水分子の時空間的な広がりを可視化できた。筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルラットを用いた17O髄注の検討では、ALS群で17O水が脳実質内により分布する傾向にあることが分かった。また、ミクロレベルの17O分布を可視化するため、クライオ同位体顕微鏡による含水生体試料の観察環境を開発した。18O水をラットの脳内に直接注入、あるいはグラフト肝に注入し、解剖構造に一致した18O分布のミクロイメージングに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳リンパ系を含む脳内水循環の仕組みや疾患への関与が少しずつ明らかになりつつある。本研究で発展したイメージング技術は、生体の水分子をマルチスケールで直接追跡するものであり、脳リンパ系の生理的な役割や病態形成への関与を明らかにし、この分野の研究のさらなる進歩に役立てることができる。また、本研究で扱った筋萎縮性側索硬化症や、認知症、その他の神経疾患の病態解明が進み、これまでにない早期画像診断や治療戦略につながることが期待される。
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