研究課題/領域番号 |
19K17258
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
金光 祥臣 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (30752943)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 放射線耐性細胞 / プロテオミクス / peroxiredoxin / PDI / Prx4 / オミクス解析 / TXNDC5 |
研究開始時の研究の概要 |
がんの放射線耐性を克服するためには、そのメカニズムを解明する必要がある。申請者は、独自に樹立した放射線耐性細胞株とその親株を資材として、プロテオームとメタボロームの多層解析からその解決策を追求してきた。これまでの研究により、複数の放射線耐性細胞に共通して増加・減少しているタンパク質と代謝物を見出すことに成功している。 本研究では、放射線耐性細胞株に共通した細胞内プロセス変化が、いつ、どのようにして、どのくらい耐性化の形質に関与しているのかを明らかにする。その知見に基づいて、がん放射線治療の新たなバイオマーカーおよび治療戦略の開発へと発展させる。
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研究成果の概要 |
本研究は、口腔扁平上皮癌細胞株 SAS およびその放射線耐性細胞株である SAS-R を用いた解析から、protein disulfide isomerase(PDI)や peroxiredoxin (Prx) 4などの酸化ストレス応答関連タンパク質が SAS-R で増加していることを明らかにした。Prx4 ノックダウン SAS-R 細胞株および Prx4 過剰発現 SAS 細胞株を用いた解析により、Prx4 は、放射線によって生じる酸化ストレスの細胞障害を抑制し、他のタンパク質と連関して耐性能に寄与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線治療は、がん治療における重要な治療選択肢の一つである。しかし、放射線耐性を獲得するがん細胞が存在し、これによる再発が問題となる。したがって、放射線耐性化機序の解明と新規治療戦略の開発が切望されている。本研究では、口腔扁平上皮癌細胞株 SAS およびその放射線耐性細胞株である SAS-R を用いた解析から、タンパク質のフォールディングに関わる PDI ファミリータンパク質が耐性細胞株で増加していること及び過酸化水素除去能を持つことが知られている Prx4 が、耐性能に関与していることを明らかにした。これらの成果は、放射線耐性化機序の理論構築と新規治療戦略開発への応用が期待される。
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