研究課題/領域番号 |
19K17260
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 群馬大学 (2021-2022) 群馬県衛生環境研究所 (2019-2020) |
研究代表者 |
小林 大二郎 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (30827225)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 重粒子線治療 / 放射線治療 / 免疫治療 / 粒子線治療 / 子宮頸がん / テーラーメード治療 / 細胞死 / 核形態 / 粒子線 / 化学療法 / テーラーメイド治療 / 微小核 / 子宮頸癌 / cGAS / STING / アブスコパル効果 / 細胞形態 / mitotic catastrophe |
研究開始時の研究の概要 |
重粒子線治療は高い殺細胞効果を示し、過去の報告では他治療との感受性の弱い相関にmitotic catastrophe が関連していることが示唆されている。この手法を化学療法併用重粒子線治療後のヒト生検検体に応用することで併用療法における細胞死の理解が可能となる。そこで我々は本研究課題のなかで化学療法を併用した重粒子線治療により、ヒト細胞内における核形態変化と細胞死機序の解明を目的としたトランスレーショナル研究を行う。また今後治療効果と照射後の核形態変化を比較検討することで将来的には治療反応性の推定と個別化医療の発展に資することが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では同時併用化学重粒子線治療法の確立に向けた基礎データの取得を主目的とした。そのために化学療法と重粒子線治療を同時投与した際の細胞変化を観察した。具体的には子宮頸がん患者の組織検体を治療前後で採取し核形態の変化を比較した。その結果、治療前に比べて治療開始1週間時点では核形態を観察した際に微小核の発現が有意に上昇していた。微小核は免疫反応を誘導することが知られており、微小核の発現上昇は今後の癌治療において重粒子線治療と免疫治療の併用療法の基礎的根拠となる。本結果は過去に報告がなく重要な知見である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌治療において免疫治療が果たす役割は拡大している。今までは治療困難だった癌の制御が免疫治療の登場により可能となってきている。放射線治療領域においては重粒子線治療によって治療抵抗性だった腫瘍の制御が可能となりつつある。本研究は化学療法と重粒子線治療の併用療法の確立に向けた基礎データ取得が主目的である。その対照研究として化学療法とX線治療を併用した子宮頸がん患者の生検検体を用いた研究を行った。その結果は、同時併用前後で組織検体中の微小核の発現割合の増加が確認された。微小核は免疫応答を惹起することが知られており、化学療法と放射線治療の併用は免疫応答の起点となることが示された。
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