研究課題/領域番号 |
19K17273
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大野 剛 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (20646971)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | MRリニアック / 電離箱線量計 / 蛍光ガラス線量計 / モンテカルロシミュレーション / Electron return effect / Electron foucsing effect / Electron Return Effect / Electron Focusing effect / 不均質領域 / MR造影剤 / Electron Focusing Effect / 吸収線量測定 / 静磁場 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,位置決め精度の向上を目的に,放射線治療装置にMR装置を融合したMRリニアックの臨床応用が始まりつつある.MRリニアックは,位置決めに正常組織と腫瘍のコントラストが高いMR画像を利用するため,腫瘍位置に基づいた正確な位置照合が可能である.また機能画像を取得できるため,治療期間や照射中の機能変化に基づいた新たな高精度放射線治療の実現も期待されている.MRリニアックの問題点は,静磁場の影響により電子が偏向し,投与線量が変化することである.さらに,静磁場は線量計の感度にも影響を及ぼす.そこで本研究では,静磁場が電離箱線量計と蛍光ガラス線量計の感度へ及ぼす影響を明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究で作成したMRリニアックのモデリングのビームデータは過去の研究での報告値と良い一致を示した.電離箱線量計は垂直静磁場により感度上昇を示し,有感体積が大きいほど,感度上昇は大きくなった.このため,垂直静磁場での線量計測においては,有感体積が小さい電離箱線量計の使用が推奨される.蛍光ガラス線量計は,線量計の向きやホルダの空気によって大きな感度変化が見られた.しかし,線量計測の際の工夫で,蛍光ガラス線量計の感度変化は小さくすることが可能であった.そのため,蛍光ガラス線量計は静磁場の影響を補正することなく,線量測定が行える可能性があり,基準線量測定や第三者機関による線量監査への応用が期待できる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により,垂直静磁場下における電離箱線量計および蛍光ガラス線量計の感度変化が明らかになった.また,静磁場における体内線量分布の変化が明らかになった.本研究の成果から,静磁場やMR造影剤を利用した新たな高精度放射線治療の開発が期待される.また,MRリニアックにおける新たな吸収線量計測法が確立され,蛍光ガラス線量計を用いたMRリニアックの線量標準の確立の可能性が示された.とくに,蛍光ガラス線量計は国産の線量計でありながら,海外の同様の線量計と比較しても,静磁場下における線量計測において,良好な特性を示しており,今後のMRリニアックの普及に伴い,国内外でのさらなる活用が期待される.
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