研究課題/領域番号 |
19K17275
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 長崎大学 (2020-2022) 福島県立医科大学 (2019) |
研究代表者 |
阿部 悠 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (00722472)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 染色体異常 / 自然発生頻度 / DNA二本鎖切断 / アセチル化 / 染色体形態 / DNA二本鎖切断誘導 / BG異常頻度 / DSB誘導モデル / 染色体転座 / CRISPR/Cas9 |
研究開始時の研究の概要 |
転座によるがん遺伝子の形成やがん抑制遺伝子の欠失はがん化の重要なポイントであるが,転座形成メカニズムについては明らかでない。理論上,DSBからの形成頻度は同等であるはずのDic/転座だが,我々のこれまでの研究から,転座優位となる事象が数多く観察された(Sci Rep.2015, J Radiat Res.2016, 2017)。そこで本研究ではデザインされた特異的な染色体異常および放射線によるランダムな誘発異常について解析することで,染色体転座優勢機構の性質について明らかにしながら,染色体異常の形成に影響を与える因子について明らかにする。
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研究実績の概要 |
Dox誘導CRISPR/Cas9システムによるDSB誘導細胞株の再作成については、継続中である。 染色体異常頻度に影響を及ぼす分子のスクリーニングでは、血液細胞を対象に染色体形態に影響を及ぼす分子について確認を進めている。分裂期関連キナーゼにおいてCK2など一部のキナーゼにおいて阻害剤処理による形態変化が認められており、shRNA等での染色体異常形成頻度の検討を計画している。一方で分裂期関連キナーゼの阻害では細胞生存率の低下が目立つものも多く、新しい観点でのアプローチが必要であり、その一つとしてアセチル化による形態制御に着目している。脱アセチル化阻害処理ではどの阻害剤においても染色体長が長くなる傾向および細胞生存率の高さが観察され、キナーゼを対象とするよりも染色体異常形成に関与する可能性が高いと考えられる。 また、日本人における染色体異常頻度の自然形成率探索では収集した検体の分析も大詰めとなり、交絡因子による分類分析を進めていく。1歳ごとの年齢分布では大きな傾向変化は認められず、男女差なども検出されていない。異常頻度の分布もまとまっており、交絡因子(特に医療被ばく)の影響が染色体異常の自然発生頻度に大きく影響していることが示唆された。一方で、放射線個人感受性の探索のため進めているX線照射検体(0.2, 1 Gy)に関しては、データファイル容量の影響でPCの動作が遅くなり画像分析が遅れている。現時点では、線量依存性以外に異常頻度が大きく異なる検体は観察されていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
X線照射検体の染色体異常分析において大幅な遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
画像分析用のPCを新しく導入したため、時間配分を調整し可能な限り画像分析を進めていく。
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