研究課題/領域番号 |
19K17277
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
寒川 悦次 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (80572643)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | TRVE / IVR / embolization / ACPKD / 常染色体優性多発性嚢胞腎 / TAE / 腎静脈塞栓術 / 腎静脈塞栓 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、常染色体優性多発性嚢胞腎(ACPKD)に対する経カテーテル的腎静脈塞栓術(TRVE)の臨床応用に向け、基礎的実験を行うことである。腎静脈塞栓術は現時点で動物実験・臨床例の報告はない。大型動物(イヌ)の腎臓に対して、その安全性、臨床効果、腎機能に与える影響、至適塞栓物質および合併症について検討を行う。これらの実験結果に基づき、今後臨床応用となった際の理論的背景の礎を築く。
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研究成果の概要 |
経カテーテル的腎静脈塞栓の技術的成功率は100%であり、周術期ならびに術後経過中にもプラグの移動は認めなかった。経静脈塞栓群は塞栓直後より発生する腎実質のうっ血、腫大が遷延する。3か月の経過で塞栓腎における萎縮の程度は経静脈塞栓群は塞栓物質の併用でより良好な萎縮が得られたが、動脈塞栓群が最も良好な萎縮を呈した。非塞栓腎の代償性肥大は塞栓方法にかかわらず、150%程度であった。また経静脈塞栓群30%で早期死亡、30%で後腹膜出血を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はACPKDにおけるTAEの合併症を低減する目的で、10例と少数例だが技術的成功は100%であり、AVPの移動は1例もなかったことは意義深いと考える。一方で重篤な合併症が30%発生し、対策が必要と考えられた。血圧上昇や膿瘍形成、炎症反応の遷延などは認めず、術後3日のノルアドレナリン値はコントロールのTAE群よりも高い傾向があった。社会的意義としては、TRVEは実現性と一定の効果はあるが、TAEには及ばない。現在臨床の現場でよく施行されているTAEは塞栓後の腎縮小効果が高く、重篤なものも含む合併症発生率が非常に低く、効果と安全性が証明された。
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