研究課題/領域番号 |
19K17283
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
山崎 俊栄 神戸薬科大学, 薬学部, 助教 (60636710)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 脂質 / ラジカル / 放射性同位元素 / プローブ |
研究開始時の研究の概要 |
脂質過酸化は脂質アルキルラジカルの生成を起点とする連鎖的過酸化反応であり、がんなどの疾患との関連が示唆されている。近年、脂質アルキルラジカルに対する検出試薬や治療化合物の開発により、肝がんモデル動物における脂質アルキルラジカルの産生増加とがん化の抑制を実証したものの、細胞レベルとヒト(動物)個体レベルでは酸素環境が異なり、生物個体での計測技術も未開発なため、ヒトでの脂質ラジカルの実態はいまだ不明である。そこで、本申請課題では脂質アルキルラジカルを標的とする核医学分子プローブの設計・合成・評価と、病態モデル動物での検証を実施し、生きた個体に適応可能なプローブを開発する。
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研究成果の概要 |
脂質ラジカルは、脂質過酸化によって生成する反応性の高い化学種であり、脂質などを連鎖的に酸化し本来の機能を喪失させることから、動脈硬化やがんなど様々な疾患に関与すると考えられている。これまで、細胞や組織で生じた脂質ラジカルを蛍光で捉えるプローブは開発されていたが、生体レベルで非侵襲的にそれを捉えるプローブはなかった。本研究では、高感度に画像化が可能な核医学イメージングに着目し、生体内で生じた脂質ラジカルを捉える薬剤を開発することに成功した。生物個体の中で生成する脂質ラジカルの時空間的情報を得ることで、酸化ストレス疾患における脂質過酸化の寄与や機能の解明につながるものと期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
過酸化脂質は脂質代謝異常症やがんなど種々の疾患で増加していることが報告されており、生体内の過酸化脂質を測定することは健康状態の把握に有用である。本研究で開発された手法により、どのような場所で過酸化脂質が産生しているかを判別でき、過酸化脂質関連疾患の鑑別を可能とする診断法の開発に貢献できるものと期待している。
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