研究課題/領域番号 |
19K17287
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
島 彦仁 東北大学, 大学病院, 助教 (20822878)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 低身長 / コピー数異常 / 全ゲノムシークエンス / アレイCGH / SHOX / 遺伝子 / 遺伝子解析 / 網羅的遺伝子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
大多数の低身長患者の原因は不明で,臨床的に特発性低身長症(ISS)と診断される.我が国では,ISS患者は-3SDを下回る著明な低身長であっても治療の手立てがない.特発性低身長患者は遺伝学的に多様な集団だが,責任遺伝子として確立しているのは,SHOX遺伝子のみで,日本人ISSでの頻度は3.8%である.SHOX 以外の遺伝子異常を有するISS患者が多数存在し,その一部はGH治療が有効である可能性がある.本研究は低身長患者での,既知責任遺伝子異常の関与の解明,新規責任遺伝子異常の探索,さらに,この新規責任遺伝子のGHへの反応性を評価し,低身長症患者に対する治療法確立の基盤を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究においては,低身長患者をその症候性の有無により2群に分け遺伝学的解析を実施した.5以上の外表奇形を有する症候群の部分症状としての低身長参加者6名においては,SHOX異常を2参加者に,そのほかの染色体異常を4参加者に同定した.一方外表奇形の目立たない低身長参加者35名においては,SHOX異常は同定されず,そのほかのレアバリアントが3名で同定された.SHOX異常症の2参加者はいずれもMadelung変形を有するLeriWeill症候群であった.これらの成果は,症候性低身長患者におけるコピー数異常解析の重要性を示す一方で,特発性低身長患者でのさらなる解析の重要性を示す.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
身長は80%以上を遺伝学的な要因によって決定されていますが,その遺伝子異常はよくわかっていません.私たちは,低身長患者のうち,複数の体の変化を有する患者さんでは低身長に染色体の一部が短くなる変化が比較的多く含まれていることを明らかにしました.一方,何らかの症状を合併していない患者さんでは染色体の長さの変化の関与は小さいと考えられます.本研究の成果は,今後の低身長患者さんの病態を検討する際の基礎的な資料になるとともに,現在研究でしか行われていない検査がひろく普及することの重要性を示すものです.
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