研究課題/領域番号 |
19K17297
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
榊原 菜々 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (90814319)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | LAMB2 / Pierson症候群 / スプライシング異常 |
研究開始時の研究の概要 |
Pierson症候群は眼病変、精神運動発達遅滞、先天性ネフローゼ症候群を特徴とし、生後早期に末期腎不全に至る疾患で、LAMB2遺伝子の機能喪失型変異により発症する。一方LAMB2遺伝子に機能喪失型変異を有するにもかかわらず、眼病変を呈さず、精神運動発達は正常で、腎機能も長期に保持されるような軽症例も多数存在する。我々のこれまでの研究から、こういった重症度を規定する要素の一つにスプライシングの異常があることが判明している。本研究はPierson症候群における重症化および軽症化機序の解明および、スプライシング異常に起因した重症例における、スプライシング制御による軽症化を目的とした研究である。
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研究成果の概要 |
次世代シーケンサーを用いた網羅的解析により、LAMB2異常症を8例診断した。またLAMB2異常症6例について遺伝子表現型関連を報告した。ここでは、ミスセンス変異と思われたが、スプライシング異常に伴うtruncating変異であったため重症であった例、またスプライシング異常による重症例と考えられたが、正常と異常のスプライシングを産生するため軽症であった例など、スプライシング解析により重症度機序を説明しえた。しかしLAMB2蛋白の機能に重要なLNドメイン内のミスセンス変異では、スプライシング異常を来さないにも関わらず、重症な表現型を示しており、スプライシング異常以外の重症化機序の存在が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
希少疾患であるLAMB2異常による小児ネフローゼ症候群について、本邦の小児例の臨床遺伝学的特徴を明らかにした。LAMB2異常により発症するPierson症候群は眼病変、精神運動発達遅滞、先天性ネフローゼ症候群を特徴とし、生後早期に末期腎不全に至る重症疾患であるが、一方で眼病変を呈さず、精神運動発達は正常で、腎機能も比較的長期に保持されるような軽症例も存在することが知られていた。私たちのこれまでの研究で、こういった重症度の違いを規定する要素の一つとして、スプライシングが関連していることを示してきたが、今回の研究で、一部のLAMB2異常においても、スプライシングが重症度規定因子となることを示した。
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