研究課題/領域番号 |
19K17298
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
坊 亮輔 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10749188)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ガラクトシアリドーシス / CTSA遺伝子 / ライソソーム病 / 先天代謝異常 / 先天代謝異常症 / スプライシング調整 / スプライシング異常 / アンチセンス |
研究開始時の研究の概要 |
ガラクトシアリドーシス(GS)はライソゾーム保護性タンパク質/カテプシンAをコードするCTSA遺伝子の異常で発症するが、根本的な治療法は確立していない。日本人GS患者ではCTSA遺伝子にIVS7+3A>Gを高頻度に有するが、本遺伝子変異は成熟mRNAへのスプライシング過程でexon7の欠失を引き起こす。我々は、この日本人高頻度変異に対して、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AO)を用いた修正が根本治療となり得ることに着目した。本研究は、変異をトランスフェクションさせたHeLa細胞に対して、AOを様々な種類、濃度で設計し投与することで、スプライシングの修正が可能であるかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
ガラクトシアリドーシスの日本人では IVS7+3A>Gが高頻度にみられ軽症例が多い。今回、本バリアントが軽症の症状を呈するメカニズムに関して解析を行い、さらにアンチセンスオリゴヌクレオチド(AO)によって修正を行うことで新規治療法になりうるかを検証した。患者リンパ球より作成したcDNAの解析や、mini-geneを用いたin vitroの研究ではexon7の欠失したmRNAに加えて2塩基の"gt"が挿入された新規のスプライシング産物がえられ軽症化に関わる可能性が示唆された。本検討ではAOによる治療効果は確認できなかったが、新規疾患メカニズムにつながりうるスプライシング産物を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、日本人ガラクトシアリドーシス患者に多くみられる遺伝子変異に関して検討をおこなった。従来本変異による軽症化の機序は、通常のmRNA産物が一部で産生されるためと考えられていた。しかし本研究から、本変異からの正常mRNAは確認できず、exon7が欠失したうえで2塩基の挿入がみられる新規のスプライシング産物が認められた。これは従来想定されていたものとは異なる機序で臨床像に影響を与えている可能性を示唆している。本研究ではスプライシングを修正し正常化させる薬剤の同定まではできなかったが、新規の治療対象となりうる軽症化のメカニズムに関しての新たな知見が得られた。
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