研究課題/領域番号 |
19K17301
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
香川 礼子 広島大学, 病院(医), 助教 (40806634)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | STAT1-GOF / CMCD / 複合型免疫不全症 / 脱リン酸化酵素 / ISG / STAT1 / 脱リン酸化障害 / STAT1 GOF変異 / T385M / R274Q / STAT1GOF変異 / 慢性皮膚粘膜カンジダ症(CMCD) / 機能獲得型変異 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性皮膚粘膜カンジダ症(CMCD)は、慢性・反復性にカンジダ感染を発症する原発性免疫不全症で、本症患者の約半数でSTAT1遺伝子の機能が亢進する変異(GOF変異)を認める。最近STAT1-GOF変異を持つ患者が、CMCD以外にも多彩な感染症、自己免疫疾患や内分泌疾患などを合併する重症例の存在が明らかになっている。本研究では、重症の臨床像を示すGOF変異(T385M)を用いて、特異的な遺伝子プロファイルを解析し、重症化する分子メカニズムを解明する。また、解明されたメカニズムにより、これらの分子を標的とした疾患特異的治療の開発を目標とする。
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研究成果の概要 |
STAT1の機能獲得型変異は、慢性皮膚粘膜カンジダ感染を主要症状とするが、一部では複合型免疫不全症などを合併する重症例が存在する。本研究で、重症型であるT385M変異の新規症例を同定した。このT385M変異の2症例は臨床的に重症度に相違を認めた。重症化する因子の解明のため、IFN-γ刺激による特異的な遺伝子発現の解析を行なった。患者末梢血から分離したT細胞をIFN-γで刺激し、網羅的な遺伝子発現プロファイルを解析したところ、ISG(Interferon-stimulated genes)の過剰に発現が示された。また、STAT1-GOF変異が特定の脱リン酸化酵素に対し抵抗性を示すことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
STAT1-GOF変異を有する患者で認める遺伝子型と表現系相関の背景に存在する分子メカニズムの一部の解明が可能であった。これまで、同変異における標的分子の転写因子の減増により臨床的な重症度が相関することが多くの仮説とされており、網羅的な変異体における機能評価がなされてきた背景がある。標的分子の量的変化に着目されることが多いが、この度は標的分子の質的な変化により、臨床的な重症度が変化することが示された。
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