研究課題/領域番号 |
19K17309
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
石崎 怜奈 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70528299)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | IP3R2 / 肺動脈平滑筋 / 発生 / 総動脈幹症 / Tbx1 / 肺動脈平滑筋特異的マーカー / 遺伝子改変マウス / 肺動脈発生 / 心臓流出路異常 |
研究開始時の研究の概要 |
重症先天性心疾患には、しばしば肺動脈異常が合併し、治療に難渋する。肺動脈の発生および異常の発症機序については、これまで肺動脈特異的分子マーカーがなかったため十分に研究されていない。私たちは肺動脈平滑筋に特異的に発現する分子を発見し、その遺伝子領域にLacZ遺伝子を挿入したマウスにより肺動脈発生過程を可視化した。このマウスを用いて肺動脈形態と心臓流出路形態の発生過程を目に見える形で解析し、さらに心臓流出路異常モデルマウスと交配することにより、先天性心疾患に伴う肺動脈異常・流出路異常の発症機序を検討する。 将来、重症先天性心疾患の予後改善につながる新たな知見を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
重症先天性心疾患には、しばしば肺動脈異常が合併し治療に難渋する。しかし、肺動脈異常の発症機序には不明な点が多く、肺動脈特異的分子マーカーを用いた解析が必要である。 本研究では、イノシトール三リン酸受容体2型(IP3R2)が肺動脈平滑筋に発現することを解明し、IP3R2を肺動脈平滑筋特異的分子マーカーとして利用することにより、マウスの肺動脈の発生過程を可視化することに成功した。その結果、肺動脈平滑筋が心臓流出路から肺動脈の末梢へ向かって発生することを明らかにした。また、総動脈幹症モデルマウスの解析に応用し、肺動脈基部の無または低形成により総動脈幹症が発症する機序を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまでに存在しなかった肺動脈の発生を可視化することができる有用なIP3R2-LacZマウスという実験動物を確立した。さらに、IP3R2-LacZマウスを用いて、総動脈幹症という重症先天性心疾患の発症機序とそれに伴う肺動脈の形態異常の解明に応用することができた。先天性心疾患の診療を向上させるために、病態解明と予防・再生医療に発展する基礎研究は重要であり、今回確立したIP3R2-LacZマウスは様々な先天性心疾患と合併する肺動脈異常の病態解明に応用できる可能性がある。
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