研究課題/領域番号 |
19K17317
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
田沼 有希子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 細胞医療研究部, リサーチアソシエイト (40595328)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | iPS細胞 / 分化誘導 / ケラチノサイト / 三次元培養 / 人工皮膚 / 胎児治療 / 培養表皮 / 3次元培養 / 3次元培養 / 皮膚 / 羊水 |
研究開始時の研究の概要 |
脊髄髄膜瘤や腹壁破裂といった体表が欠損する疾患は、子宮腔内に消化管や脊髄などの臓器が露出し、胎児期から進行性の臓器障害を引き起こす。本研究では、羊水由来iPS細胞から培養表皮を作製し、自家移植として妊娠中に欠損部を修復することで進行性の臓器障害を軽減し予後改善を目指す。我々は、先行研究で羊水由来iPS細胞から培養表皮を作成し、胎児脊髄髄膜瘤モデル動物に自家移植を行い、機能的に生着することを確認した。本研究では、再生医療等製品を目指し羊水由来iPS細胞を用いて安定的かつ安全な培養表皮の作製方法を開発する。さらに、体表欠損モデル動物へ胎児治療として移植し、生着率や出生後の機能障害の程度を検討する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、脊髄髄膜瘤や腹壁破裂といった胎児の体表が欠損し臓器障害を引き起こす疾患に対する治療法を開発するために、ヒト羊水中の細胞から樹立したiPS細胞に着目した。人工皮膚を移植する技術を確立するため、羊水由来iPS細胞を用いて表皮を構成する細胞であるケラチノサイトに分化誘導した。iPS細胞から分化誘導した細胞は、培養過程でケラチノサイトと形態の異なる細胞も増殖する。より機能的なケラチノサイトを維持するために、培養方法を改良した。このケラチノサイトを3次元培養することで積層化した人工皮膚を作製し、表皮特有の層構造を確認した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
罹患した胎児の羊水中の細胞から樹立したiPS細胞は胎児にとって自己であり、そこから特定の細胞に分化誘導し移植片を作製する技術を開発することは、胎児治療の進展に大きく貢献するものである。本研究では、iPS細胞由来ケラチノサイトを選択的に継代し機能的なケラチノサイトを維持する培養方法を開発し、人工皮膚を作製した。今後、この人工皮膚の患部への生着や胎児の成長に応じた移植片の変化を胎児モデルを用いて検証し、ヒトへの臨床応用につなげていく。
|