研究課題/領域番号 |
19K17319
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
相澤 知美 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (90836248)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | PAI-1 / 全身性エリテマトーデス / ループス腎炎 / 腎血管内皮細胞 / 抗マラリア薬 / PAI-1 / Toll様受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
Plasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1)は、抗リン脂質抗体陽性の全身性エリテマトーデス (SLE)患者の血栓形成やループス腎炎 (LN)の進展に関わるという報告がある。申請者は、ヒト培養腎糸球体内皮細胞 (GECs)におけるToll様受容体3 (TLR3)を介するPAI-1産生について報告した。今回、GECsにおけるTLR3, TLR7, TLR9を介する PAI-1の発現とⅠ型IFNの関連性、既存の治療薬やSLE患者血清添加によるPAI-1発現の変化、SLE患者の尿, 血液検体中のPAI-1の濃度と疾患活動性との関連性について検討する。
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研究成果の概要 |
正常ヒト腎血管内皮細胞を培養し、全身性エリテマトーデス(SLE)の患者血清を添加した(初発時、安定期)。quantitative real-time PCR 法を用いて、PAI-1、tPAの mRNAの発現を測定した。PAI-1とtPAの発現を比較対照のネフローゼ症候群の血清を添加した群と、何も添加しなかったコントロール群ではPAI-1とtPAのmRNAの有意な上昇は認めなかったが、SLEの血清を添加した群ではPAI-1, tPAのmRNA産生の上昇が有意に認められた。疾患活動性との相関を検討したところ、PAI-1とtPAの発現と補体やSLEDAIとの相関が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ループス腎炎(LN)と凝固線溶系因子の関連性を解明するため、正常ヒト腎血管内皮細胞(GECs)におけるPAI-1、tPAの発現を調べている。我々はこれまでToll-like receptor (TLR3)を介してGECsからPAI-1が産生されることを確認し報告した。本研究では、全身性エリテマトーデス(SLE)患者血清をGECsへ直接添加し、よりLNの病態に近い培養系でのPAI-1発現を調べた。その結果、SLEの疾患活動性の指標である補体、SLEDAIとPAI-1のmRNA発現の相関が認められた。以上より、PAI-1がループス腎炎の進展に関与している可能性が示唆され、今後も解析を続けていく。
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