研究課題/領域番号 |
19K17327
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 自治医科大学 (2020-2021) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
岩渕 久美子 自治医科大学, 医学部, ポスト・ドクター (10741754)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 細胞送達媒体 / 浸潤T細胞 / セルベースドデリバリー / 筋損傷 / TCR / 骨格筋損傷 / 特異的TCR / Duchenne型筋ジストロフィー / ゲノム編集 / 制御性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)はジストロフィン遺伝子の変異に起因する遺伝子疾患の一つである。進行性筋萎縮症であり致死的な症例も多いが、現状では根治が難しい。近年、ゲノム編集技術の進展により、変異ジストロフィン遺伝子座に対するゲノム編集治療法の開発が進められてきた。しかし、全身にゲノム編集酵素を行き渡らせることは難しく、全身の機能回復は達成できていない。本研究では、免疫細胞が炎症部位に集積する特徴を利用して、Tregにゲノム編集酵素をコードするアデノ随伴ウイルス(AAV)産生システムを組み込むことで、全身の筋損傷部位にゲノム編集酵素を送達する系を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究はTregを細胞送達媒体としてゲノム編集酵素をコードしたAAVを筋損傷部位で直接生産させ、変異ジストロフィン遺伝子をエキソンスキッピングにより修復することを最終目的としている。 まずT細胞を筋損傷部位に集積させるメカニズムの一つとして特異的TCRの発現の同定を試みた。マウス下肢筋損傷部位に集積するT細胞群を回収し、RNA-seqによるTCRレパトア解析を行ったところ、特定のTCRα配列を持つT細胞が偏在していることがわかった。一方でTCRβには偏りが見られなかった。次に、この特定TCR群をEF1αプロモーター下に2Aペプチド配列を挟んで組み込み、デュアル発現ベクターを作成した。 次に、導入するTregまたはT細胞群素材を得る手段を検討した。生体から回収する方法の代替として、マウスES細胞からの誘導系を改良して用いた。OP9-DL1細胞共培養にFlt3lおよびIL7を添加する従来の誘導法に、ES細胞側へのFoxP3またはBcl-xLの過剰発現を併用した。これらにより、誘導後20日でCD4およびCD8両陽性の細胞集団をより効率よく得ることができ、移植に必要な量のT細胞送達媒体の確保が可能となった。 これらの知見によりT細胞を送達媒体として用いる基盤が得られ、今後はAAVを搭載した状態で改変T細胞群のマウス組織内における集積・増殖能の機能評価を進めていく。また、AAVにCas9およびgRNA発現配列をコードしたものを用いて標的組織での局所的ゲノム編集の評価も行っていく。
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