研究課題/領域番号 |
19K17334
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
平井 健太 岡山大学, 大学病院, 医員 (50814224)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 細胞移植 / 肝硬変 / うっ血 / フォンタン / HRG / 間葉系幹細胞 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
単心室症は、循環に寄与する心室をひとつしか持たない重篤な複雑心奇形である。複数回の手術を経てフォンタン手術に至っても、合併症として若年で高率にうっ血性肝硬変をきたすことが明らかになってきたが、その治療法は現時点で皆無である。 間葉系幹細胞は、脂肪などから樹立される多分化能をもつ幹細胞であり、肝臓領域においても傍分泌による抗炎症、抗線維化作用ともつと言われている。 本研究では、うっ血性肝硬変モデルマウスを用いて、間葉系幹細胞移植の治療効果検証を行い、うっ血性肝硬変に対する再生医療の可能性を見出し、単心室症患者のさらなる予後改善を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では、単心室症のフォンタン術後合併症であるうっ血性肝硬変に対する間葉系幹細胞移植の治療効果を検証した。 マウスの下大静脈を部分結紮してうっ血性肝硬変モデルを作成し、間葉系幹細胞の静脈内投与による治療効果判定を実施した。しかしプラセボ群と比較して単回移植群、複数回移植群いずれも肝臓線維化の程度や炎症・線維化マーカーに有意な変化を認めなかった。一方、上記過程でうっ血性肝硬変モデルマウスの肝臓内mRNA発現を偽手術群と比較したところ、うっ血性肝硬変モデルにおいて血漿タンパクHRGの発現が有意に低下していることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
うっ血性肝硬変は、フォンタン術後患者の長期合併症として回避できず、治療法は現時点で皆無である。本研究ではうっ血性肝硬変に対する再生医療として間葉系幹細胞の静脈投与を検討したが、有意な改善効果は得られなかった。一方、上記研究の過程で、うっ血性肝硬変モデルマウスの肝臓組織でHRGのmRNA発現が有意に低下していることを見出した。既存の肝線維化マーカーとしてはヒアルロン酸やⅣ型コラーゲン、P-Ⅲ-P、M2BPGiなどがあるが、フォンタン術後のうっ血性肝硬変に対する肝線維化の指標は確立されていない。今後の展望として、HRGが新規の肝線維化マーカーとして活用できるかについて検討していきたい。
|