研究課題/領域番号 |
19K17342
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山田 茉未子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60835601)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | スプラシング / トランスクリプトーム / 統合解析 / スプライシング / トランスクリプトーム解析 / 深部イントロン変異 / キメラ遺伝子 / RNAシーケンシング / スプライシング異常 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子診断における課題は、検出したゲノム変異がmRNAのスプライシングに及ぼす影響について網羅的な検討が行われていないことである。申請者は、がん研究分野で開発されたベイズ・ネットワーク理論に基づくSAVNet解析アルゴリズムが生殖細胞系列変異にも適用可能であることを150余例の公開配列データに関する先行研究により実証した。その一部について、公開配列データの起源細胞株を入手・培養し、in vitroのRNA実験を通じて異常トランスクリプトの存在やその配列異常を確認する。さらにスプライシング異常が疑われる原因不明肝疾患患者を対象に統合的解析を実施し実臨床におけるSAVNet解析の有用性を確立する。
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研究成果の概要 |
ゲノム変異のmRNAのスプライシングに及ぼす影響について網羅的な検討を行い、ゲノム変異がスプラシング異常を惹起すると共に、生成されるトランスクリプトを評価すると従来のエクソーム解析ではサイレント変異あるいはミスセンス変異として認識されていた変異が、ナンセンス変異あるいはフレームシフト変異を起こすことを小児科領域の遺伝性希少疾患の領域においても解明した。実際に、HNRNPK遺伝子、PUF60遺伝子、JMJD1C遺伝子、RNPC3遺伝子の変異をもつ患者においてトランスクリプトーム解析により確定診断に至った。またキメラ遺伝子形成も先天遺伝性疾患の機序としても重要であることを提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児遺伝性疾患の原因解明のために遺伝学的検査、特にエクソーム解析が中心的役割を果たしている。しかしその診断率には限界があり、その原因の一つとしてスプライシング異常の影響を考慮した検出ができないことが挙げられる。そこでエクソーム解析とRNA解析を組み合わせた解析手法を、小児遺伝性疾患の患者に適用し、その有用性を既存のデータベースに対して検証し有益性を認識した。その上で、実際の患者さんの解析にも適用し、複数の患者さんで確定診断に至ることができた。本研究により適切な診断による根拠に基づく予後の予測、治療法の導入、適切な検査の実施に貢献できると考えられた。
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