研究課題/領域番号 |
19K17346
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
河村 吉紀 藤田医科大学, 医学部, 講師 (30581475)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ヒトヘルペスウイルス6 / ヒトヘルペスウイルス6B / 内側側頭葉硬化症 / 内側側頭葉てんかん / RNA-Seq |
研究開始時の研究の概要 |
human herpesvirus 6B(HHV-6B)は乳幼児でよく経験する突発性発疹を初感染で引き起こすウイルスである。初感染時には脳炎・脳症を合併することがあるが、初感染後生体内に潜伏感染し、造血幹細胞移植患者で再活性化し移植後急性辺縁系脳炎も引き起こす。さらに難治性てんかんである側頭葉てんかん(MTLE)発症への関与も示唆されている。MTLEの治療法として海馬切除術があるが、我々はその切除脳組織を用いて海馬・扁桃体に潜伏感染したHHV-6Bとヒトの遺伝子発現を次世代シークエンサーを用いて網羅的に解析することでHHV-6BとMTLEの関与やMTLEの発症メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
我々は難治性てんかんである内側側頭葉硬化症(MTS)患者の脳海馬および扁桃体でヒトヘルペスウイルス6B(HHV-6B)HHV-6B感染のMTSへの影響を明らかにするために、患者脳と健常脳での遺伝子発現を解析した。患者海馬80検体中22検体、扁桃体30検体中8検体でHHV-6Bが検出された。これらHHV-6B検出、非検出脳および健常脳から各2あるいは3検体を選択し、次世代シークエンシングを行った。主成分分析で各群の検体はそれぞれ類似の傾向を示していた。今後、ヒートマップ、ボルケーノプロット、パスウェイ解析により各群での遺伝子発現を比較し、着目した遺伝子発現項目について多数検体での評価を行う。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では先行研究と同様にHHV-6BがMTS患者脳で検出されることが確認され、HHV-6BのMTSへの影響の可能性が再確認された。MTSは抗てんかん薬の内服治療に対して抵抗性であることが多く、現在は手術で海馬、扁桃体を摘出することが有効である。しかしながら、この治療は侵襲性が高く低侵襲かつ有効性の高い治療が望まれている。今後、HHV-6BのMTS発症への関与が明らかにされれば、本症の発症予防あるいは治療として非侵襲的な抗ウイルス薬療法が有効である可能性が提案できると考えられる。
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