研究課題/領域番号 |
19K17347
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
柴田 磨己 福岡大学, 医学部, 助教 (20816392)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | KCNQ2 / てんかん / RNA-Seq / トランスクリプトーム / KCNQ2遺伝子変異 / in silicoスクリーニング / in silico スクリーニング / KCNQ2変異 |
研究開始時の研究の概要 |
早期乳児てんかん性脳症(KCNQ2脳症)は、KCNQ2遺伝子のミスセンス変異に起因する小児難治性てんかんであり、未だ効果的な治療薬はない。 本研究は、KCNQ2脳症の分子病態の解明と治療薬開発の基盤確立を目的とし、KCNQ2脳症モデルマウスの海馬組織を次世代シーケンサーでRNA-Seq解析することで、疾患の病態に関わる分子の発現変化を、mRNAレベルで網羅的に同定する。また、同定された変化を指標としながら、in silicoスクリーニングで選出された化合物の投与実験を行うことで、KCNQ2脳症の新規治療薬候補となる化合物を探索する。
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研究成果の概要 |
良性(家族性)新生児てんかん(SFNE)と早期乳児てんかん性脳症(KCNQ2-EE)は、共に、KCNQ2遺伝子の一塩基変異(ミスセンス変異)に起因しながら、SFNEは、乳児期には自然寛解し、予後良好である一方、KCNQ2-EEは、精神運動発達遅滞を呈する上、抗てんかん薬に抵抗性である。本研究は、SFNE患者とKCNQ2-EE患者由来の遺伝子変異を保有するモデルマウスを用い、SFNEマウスとKCNQ2-EEマウスの海馬組織では遺伝子発現パターンが異なり、特に、より重症であるKCNQ2-EEマウスではKCNQ2遺伝子発現量が減少していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
同一遺伝子の変異に起因するSFNEとKCNQ2-EEの重症度の違いは、Kv7.2/Kv7.3チャネルの機能不全レベルに依存すると考えられてきた。本研究では、SFNE、KCNQ2-EE患者の遺伝子変異を保有するモデルマウスを用い、SFNEとKCNQ2-EEの分子病態はmRNAレベルで異なることを明らかにした。この成果はKCNQ2-EEに対する治療薬開発において、核酸治療薬という全く新規の可能性を示すものである。また、本研究ではSFNE、KCNQ2-EEモデルマウスのてんかんに関する表現形、その重症度の違いを明らかにしたことから、これらモデルマウスのKCNQ2-EE創薬開発への有用性を確立した。
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